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米司法当局 ジュリアーニ氏を家宅捜索、トランプ氏「非常に不公平」

トランプ前大統領は29日、Fox Businessの番組のインタビューで、FBIによるルディ・ジュリアーニ氏の家宅捜索は「非常に不公平」と不満をもらした。

トランプ氏は、顧問弁護士だったジュリアーニ氏を「大変な愛国者だ。この国を愛している」と述べ「非常に不公平で、誰も経験したことがないほどのダブルスタンダードだ」と語った。

「非常に不公平だ。ルディはこの国を愛する愛国者だ。彼らが何を調査しているのか、何をしているのか私にはわからない」と加えた。

28日早朝、ニューヨーク南部地区連邦検事局(SDNY)は、ジュリアーニ氏に対して捜索令状を執行し、マンハッタンにある自宅とオフィスから携帯電話とパソコンを押収した。

ニューヨークタイムズは、ジュリアーニ氏のウクライナにおける取引に関する捜査の一環と報じている。

同紙は2019年10月、ジュリアーニ氏がロビー活動に関する連邦法に違反した疑いで、連邦検察が捜査をしていると報じていた。連邦法では、外国の政治家や政府関係者の指示や要求の下に行われた米政府およびメディアとの接触を、司法省に開示することを市民に義務付けている。

捜査は、この前月に選挙資金法に違反したとして逮捕、起訴されたソビエト生まれの米国籍の男性レフ・パルナス氏とイゴール・フルマン氏に関するものから派生した。両氏は、ジュリアーニ氏がウクライナで、バイデン氏と息子ハンター氏にダメージを与える情報を収集するのを助けていた。

検察官はまた、ウクライナにおけるジュリアーニ氏のビジネス取引と、マリー・ヨヴァノヴィッチ元駐ウクライナ大使の解任を巡ってジュリアーニ氏が果たした役割についても捜査を進めている。ヨヴァノヴィッチ氏の解任は、トランプ氏のウクライナ疑惑調査の焦点の一つとなった。

ワシントンポスト紙は2019年11月、ジュリアーニ氏が2月、ウクライナの当時の検事総長、ユーリー・ルツェンコ(Yuriy Lutsenko)から多額の支払いを受けるビジネスの交渉を進めていたと報じている。

ジュリアーニ氏は捜査の存在が報じられた際、不正を否定しつつも、パルナス氏とフルマン氏とともに、ウクライナの検察官と協力して、ヨヴァノヴィッチ氏とバイデン氏、息子のハンター氏にダメージとなる情報を収集していたことを認めていた。これらの情報について、ジュリアーニ氏は米政府当局者や、親トランプ派のコラムニストに共有していた。

情報筋は同紙に、検察官は、ジュリアーニ氏が当時、トランプ氏のためだけではなく、マリー・ヨヴァノヴィッチの解任を望むウクライナ当局者や企業のために活動した可能性を調べていると話している。

検察官は、昨年の大統領選挙の前後にも、司法省に、裁判所への捜索令状を要求することを認めるよう求めていたが、繰り返し却下されていた。連邦検察官は、弁護士が関わる場合、捜索令状を裁判所に求める前に司法省職員と協議をしなければならないという。

タイムズによると、司法省のキャリア職員の大半は令状の申請を支持したが、高官らは選挙が近いことを理由に懸念を示した。司法省は長年の慣例として、選挙結果に影響を及ぼす可能性のある捜査について、選挙前60日間は積極的な調査行動をとることを避けている。

検察官は選挙後に、令状を認めるよう再度試みたが、トランプ氏によって任命された高官らは再びこれを阻止しようとしたという。

ジュリアーニ氏は奇しくも、1983年から1989年まで、SDNYを率い、組織犯罪や汚職の厳しく追及した。市長時代は、市内の治安回復に成果をあげ、911では危機対応に強いリーダーシップを発揮。「アメリカの市長」の名声を獲得した。

トランプ氏の顧問弁護士が家宅捜索を受けるのはジュリアーニ氏が初めてではない。SDNYは2018年4月、ロバートモラー特別検察官から送致を受け、当時顧問弁護士だったマイケル・コーエン氏のニューヨークにあるオフィスとホテルの部屋から数千の資料を押収した。コーエン氏は後に、脱税や過度の選挙献金、違法な企業献金への関与、虚偽の財務報告など、8つの訴因について罪を認め、実刑を言い渡された。

29日、自宅軟禁中のコーエン氏はCNNのインタビューに「2つのことが頭をよぎった」と述べ「一つ目は、もう私だけでないということ。二つ目は、他人の不幸を笑ってはいけないと親から教えられたが、でもルディ、私が言ったじゃないか」と語った。

コーエン氏はジュリアーニ氏に「ドナルド・トランプは誰も気にかけちゃいない」と告げたと言い、次に犠牲になるのはジュリアーニ氏だと忠告したと明かした。

コーエン氏は捜査について、検察官はトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏や長男のジュニア氏、トランプ氏の周辺の多くの人物の関わりを明らかにする可能性があるとし、SDNYは捜査範囲を拡大することになると、見通しを示した。

外国のロビー活動に関する法に抵触したかどうかの捜査は「ルディが覚えてもいない、または覚えていても晒されたくない領域」まで拡大する可能性があると述べ、「ルディはバカなので、この捜査が最終的にどれほど広範囲になるかわからない。ルディは飲み過ぎで、変な振る舞いをするものだから、電話やコンピューターに何があるかなんてわかりゃしない」と語った。

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