ジュリアーニ氏の黄金時代を描いた17年前の映画が話題。ジェームズ・ウッズ主演

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元ニューヨーク市長で、トランプ陣営の弁護士を務めるルディ・ジュリアーニ(Rudy Giuliani)氏の栄光を描いた17年前のテレビ映画が、「意図しないおかしさ」として話題となった。

映画「ルディ:ジュリアーニ物語」(Rudy: The Rudy Giuliani Story)は2003年、ケーブルテレビのUSA Networkで公開された。2000年発売のジュリアーニ氏の伝記「Rudy!: An Investigative Biography of Rudy Giuliani」を元に、ニューヨーク州南部地区の連邦検事時代から、1994年のニューヨーク市長への就任、2001年9月11日の米同時多発テロ事件までを描く。現在米国では、amazonプライムで視聴できる。

ジュリアーニ氏を演じたのは、トランプ大統領の熱烈な支持者として知られるジェームズ・ウッズ(James Woods)氏。同氏は、この作品でエミー賞主演男性部門にノミネートされた。

ラブシーンが話題に

話題になった場面は、ペネロペ・アン・ミラー(Penelope Ann Miller)氏演じるジャーナリスト、ドナ・ハノーバー(Donna Hanover)氏とジュリアーニ氏のラブシーン。

マイアミのビーチ(背景は合成)を歩くジュリアーニ氏は「ニューヨークは再び偉大になる。誰かが高い基準を設けなければならない。私は父からそう教わった。父と私のヒーロー、ウィンストン・チャーチルとロバート・ケネディだ」とハノーバー氏に語る。かつて民主党員だったジュリアーニ氏は、無所属、そして共和党員へと鞍替えした。その理由について「民主党は、常に物事は良くなるだろうとしか話さない。共和党はより良くするため、できることは何でもやってきた」と語った。

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映画プロデューサーのマリー・バーディ氏は、このシーンに「笑い死にした」とキャプションをつけSNSに投稿した。音楽が始まるシーンでは、吹き出す笑い声も入っている。

投稿された動画は300万回近く再生され、大きな反響を呼んだ。あるユーザーは「2020年が私たちに与える(奪う)ものはもうないと思ってた。でも私は間違ってた。この動画はF**King GOLD」と絶賛する人や、「これまで観てきた中で、最も意図しない可笑しさ」「ルディは2020年の珠玉の人だ」など、感謝の声まで寄せられている。

連邦検事時代とのギャップに驚く人や、続編の製作を求める声も寄せられている。

トランプ氏の忠実なジュリアーニ氏は、選挙前からテレビに度々出演し、バイデン氏を激しく攻撃してきた。
ニューヨークポスト紙が報じた息子ハンター氏のラップトップのデータは、ジュリアーニ氏から提供されたという。またサシャ・バロン・コーエンのモキュメンタリー『ボラット』へのカメオ出演や、選挙後の園芸店「フォーシーズンズ」での記者会見、黒い汗を流す様子などが次々と話題になった。現在は接戦州で結果を覆そうと訴訟マラソンを行っているが、訴えを取り下げるなど負けが続いている。

ウッズ氏は脚本にダメ出し

ジュリアーニ氏は2001年末、タイム誌の「今年の人」に選出され、「世界の市長」と称えられた。伝記もすぐに映画化が決定した。脚本は、オリバー・ストーン監督の『ウォール・ストリート』などを手掛けたスタンリー・ワイザー氏が担当したが、ジェームズ・ウッズ氏は、「リベラル派はリベラル派の立場を中心にする」と反発。「偏った解釈がないようにしたい」と主張し、ジュリアーニ氏をより保守派に見せるため、別の脚本家を起用するよう要求したという

プレミアでウッズ氏は、ジュリアーニ氏を「アメリカの英雄」だと絶賛。映画業界は「狂人的なリベラルで悪名高い」と述べ、「リベラルのジハード」に対抗し、本物のジュリアーニ氏を演じるため「あらゆる手段を尽くして戦った」とアピールした。