球場のバドライト売り場がガラガラ、レッドソックスファンがボイコット?

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バドライトのボイコットが止まらない?!ボストンにあるレッドソックスの本拠地「フェンウェイ・パーク」で撮影された動画が話題となっている。

ビール製造大手アンハイザー・ブッシュは先月、主力ブランドのバドライトについて、トランスジェンダーのインフルエンサー、ディラン・マルヴァニー(Dylan Mulvaney)(26)とパートナーシップを締結。マルヴァニーが商品をPRする動画をTikTokに投稿した直後から、保守派の間で反発を招き、不買の声が広がった。

TikTokユーザーのLuis Tejadaさんが、「フェンウェイ・パーク バドライト ゴーストタウン」とキャプションをつけて投稿した動画には、「バドライト・スタンド」と主張する売り場に閑古鳥の鳴く様子が映っている。オリジナル動画は削除されているが、120万回以上再生されたと伝えられている。

売上が減少、幹部は休職へ

ニューヨークポスト紙が市場調査会社のデータをもとに報じたところによると、4月15日を最終日とする1週間の売り上げは、前年に比べ17%減少。22日の週には、21%減となっている。

キャンペーンを主導したマーケティング部門の幹部アリッサ・ハイナーシャイド副社長とダニエル・ブレーク副社長は休職し、後任にグローバル・マーケティング部門のVPが就任する予定だと報じられた。

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さらに、アンハイザー・ブッシュの親会社アンハイザー・ブッシュ・インベブのミシェル・ドゥケリス最高責任者(CEO)は4日、株主向けの収支報告で、マルヴァニーとの提携は「キャンペーンではなく、一人のインフルエンサーによる一つの投稿だという事実を明確にしておきたい」と釈明。影響を受けた卸売業者や飲食店の関係者に「直接的な財政支援」を行っていることを明らかにした。

短期間に終わる可能性も

ボイコットの影響は限定的との見方もある。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のアンナ・タックマン准教授は、2020年に食品メーカー大手ゴヤ・フーズの社長がトランプ前大統領を称賛したことで、リベラル派からボイコットが起きた事例を研究。その結果から、不買運動は「短命に終わり、長期的な影響は及ぼさない傾向」にあると、ニューヨークタイムズに語っている

タックマン氏は、ボイコットに反発する人々による「バイコット」(buycott)が起きる可能性があるとも指摘。ゴヤの騒動では、トランプ氏らの呼びかけにより、保守派が製品を購入したことで、同社の売上は22%上昇。その後、ベースラインに戻ったと説明した。

6月のプライド月間には、全米各地でLGBTQパレードが開催され、多くの企業がスポンサーに名乗りをあげる。今回のバドライトの騒動を踏まえ、他の企業の動向も注目される。