バイデン大統領は1日、アフガニスタンで30日に実行した対テロ作戦で、アルカイダの現指導者アルザワヒリ容疑者(71)の殺害に成功したと発表した。

バイデン氏はホワイトハウスで行った演説で「アルザワヒリ容疑者の居場所に関する明確かつ説得力のある証拠を慎重に検討し、彼を戦場から完全に排除する精密攻撃を許可した」と説明。「ミッションは慎重に計画され、他の民間人の危害を最小限に抑えた」と述べ、アルザワヒリ容疑者の家族や民間人に死傷者はいないと語った。

CBSニュースは、政府高官の話として、首都カブールの隠れ家のバルコニーにいたアルザワヒリ容疑者は、ドローンから発射された2発のヘルファイアミサイルによって、殺害されたと伝えた。

同局はまた、高官が話した攻撃の特徴から、過激グループの指導者らの殺害に繰り返して使用されているとみられる「R9X ヘルファイアミサイル」が使用されたようだと報じた。

R9Xには、弾頭の代わりに、高速で回転する6本の刃が装備されているという。爆発はしないが、標的を貫通して切り刻むといい、ターゲット以外の死傷者を出さずに済むよう設計されている。

このことから「空飛ぶギンス(80年代にテレビCMで有名になった包丁)」または「忍者ボム」のあだ名で呼ばれているという。

ベランダ以外、建物に構造的な損傷が与えられたが不明だという。ただし、米シンクタンク「ミドル・イースト・インスティテュート」のフェロー、チャールズ・リスター氏がシェアした現場のものとされる画像からは、窓が吹き飛ばされているが、建物自体は無傷のようにみえる。

同氏はまた、R9Xは正確性が極めて高く、シリア南西部でも、アルカイダ幹部らを殺害するのに使用されていると説明。これまでに建物に使用された例は知らないとしつつ、追加で2020年6月にR9Xによって攻撃を受けた自動車の画像を投稿している。

ヘルファイアはレーザー誘導型の空対地ミサイルで、対戦車用として開発され、後にドローン爆撃に使用されるようになったという。そのバリエーションであるR9Xは、2017年のアルカイダのアブ・カイル・マスリ容疑者の殺害に初めて使用されたとみられている。当時撮影された画像は、マスリ容疑者の乗っていた車両の右側のルーフに大きな穴が空いていたが、エンジン部分は無傷のようだったという。

R9Xの存在が公に知られるようになったのは2019年、米駆逐艦コール爆破事件の首謀者、ジャマール・アフマド・モハマド・アル・バダウィの殺害に使用された後だった。

ウォール・ストリートジャーナルは2019年、2011年のウサマ・ビンラディン殺害計画では、R9Xに類似した兵器の使用が代替案として検討されていたと伝えている。