議事堂乱入のQシャーマン、大統領恩赦を希望

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「Qシャーマン」ことジェイコブ・アンソニー・チャンスリー(元ジェイク・アンジェリ)被告の弁護人は、トランプ大統領は被告人に恩赦を与えるべきだと主張している。

6日に起きた議事堂襲撃事件で、チャンスリー氏はフェイスペイントにツノの付いた毛皮帽、上半身裸というひときわ目立つ姿で、他のトランプ支持者らとともに議事堂内に侵入。その後、不法侵入や治安紊乱行為などの疑いで逮捕・起訴された。

弁護士のアル・ワトキンス氏はカンザス・シティ・スターへの声明で、チャンスリー氏は「トランプ大統領の数えきれないメッセージを深刻に受け止め、大統領を信じていた」と述べ、「他の数千万人のアメリカ人と同様、彼は人生で初めて、意見が聞いてもらえるように感じた」と、トランプ氏の熱心な支持者であることを強調。「大統領の言葉と招待には何らかの意味があるはずだ。チャンスリー氏の平和的で素直な振る舞いを考えると、立派に大統領の招待を受け入れたチャンスリー氏と他の志を同じくする平和的な人々に対して、大統領が恩赦を与えることは正しく、名誉あることだ」と主張した。

チャンスリー自身も、FBIの聴取に、トランプ氏の要請で首都ワシントンを訪れたと答えていた。

ワトキンス氏はまた、チャンスリー氏は議事堂で暴力行為に関与しなかったと主張。「彼は武装しておらず、暴力的ではなかった。破壊的でもなかった。彼の衣装は、彼の長年のシャーマン信仰と一致している」と語った。

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チャンスリー氏は当日、星条旗を結びつけた長い槍を手にしていた。

バイキング
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チャンスリー氏は現在、アリゾナ州フェニックスの拘留施設に身柄を拘束されている。

11日に開かれた審問で、別の弁護人は、チャンスリー氏には食事規制があり、施設の食事を口にしていないことを明らかにした。母親によると、チャンスリー氏はオーガニック食材以外の食事を摂ると、具合が悪くなるのだという。

弁護人の話を受け、判事は連邦保安官に対し、食事の問題を解決するよう命令。結果、オーガニックフードが提供されることになったという。

13日、下院はトランプ大統領は「暴動を扇動」したとして、弾劾訴追する決議案を可決。トランプ氏は、米国史上初めて、弾劾訴追を2回受ける大統領となった。

Qシャーマンの正体は?

チャンスリー氏は、トランプ支持者の集会やアリゾナ州の投票集計所で活動する姿がビデオに収められており、地元メディアのアリゾナセントラルは同氏を、アリゾナにおける右派の政治集会ではお馴染みの存在と報じている。

少なくとも2019年から州議会議事堂付近でQアノンに関連する様々な陰謀論を触れ回っていたという。アリゾナ・リパブリックの昨年のインタビューでは、バイキング姿は人目を引くためで、人々にQアノンの考えと真実を話すことができるからだと答えている。

現在の職業は不明だが、俳優を志していたという噂もある。