Qシャーマン、ペンス氏の机に脅迫状?「裁きが下る」

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「Qシャーマン」こと、ジェイコブ・アンソニー・チャンスリー(Jacob Anthony Chansley、元ジェイク・アンジェリ)被告(33)は議事堂に乱入した際、上院議場内のペンス副大統領の卓上に、脅迫状らしきメッセージを残していたことが分かった。

アリゾナ州在住のチャンスリー被告は6日、槍を持ち、角付きの毛皮の帽子に、フェイスペイント、半裸姿で襲撃に加わり、議事堂に押し入った。11日に不法侵入や治安紊乱行為などの疑いで逮捕・起訴され、アリゾナ州フェニックスの拘置所に収容されている。

14日夜、フェニックスの連邦検察官は、裁判所にチャンスリー氏の勾留を求める書類を提出した。
チャンスリー氏の言動について「乱入は、連邦議員を捕らえ、暗殺する意図があったことを裏付けている」と説明。逃亡に加えて、地域社会に危険をもたらす恐れがあるとして、裁判所に勾留を継続するよう求めた。

資料によると、チャンスリー氏は法廷で「神の恵み」により議場に侵入したなどと発言。星条星条旗のついた槍を片手に、ガッツポーズをして記念写真を撮影した。
またペンス氏は「人身売買の裏切り者」だと述べ、椅子に座れて良かったと語っている。また、ペンス氏の机に「もはや時間の問題だ。裁きが下される」と書いたメモを残していた。チャンスリー氏は、メモは脅迫ではないと説明している。
バイデン次期大統領やオバマ前大統領、ヒラリー・クリントン氏らを「様々な種類の不正行為の侵入者」だと述べ、「痛烈に批判」した。

またチャンスリー氏は11月、政府内の「裏切り者」を特定し「絞首刑にする」とSNSに投稿していたことも分かった。

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FBIの聴取に対し、20日のバイデン氏の就任式に再び首都ワシントンを訪れると語っていたという。

チャンスリー氏に逃亡リスクがあるその他の理由として検察は、同氏が失業中で、薬物常習者であること、Qアノンの指導者として多額の資金を迅速に調達できる、Qシャーマンのコスチュームを着用していない場合は、事実上識別が不可能であることなどを挙げている。

検察は「チャンスリー氏の行為は、陰謀論に基づくもので、議事堂での手続きを攻撃した最も有名なメンバーになると繰り返し語っていた」と説明。彼はその経験から何も学んでおらず、公判前の釈放は認めるべきでないと主張した。

なおチャンスリー氏は事件後、FBIの聴取に「すべての”愛国者”は、DCに来るようにという大統領の要請で」首都ワシントンを訪れたと回答している。

当日「ここには多くの裏切り者がいる。彼らにガスマスクをつけさせ、地下要塞に退避させたという事実は、俺たちは勝利したことになる」とNBCニュースに語っていた。

恩赦を希望

チャンスリー氏の弁護士アル・ワトキンス(Albert Watkins)氏はカンザスシティスターに声明で、彼は議事堂で暴力行為に関与しなかったと語った。「平和的で素直な振る舞い」のチャンスリー氏にトランプ大統領は恩赦を与えるべきだと主張していた。

11日に開かれた審問では、チャンスリー氏が拘置所で食事を拒否し続けていることが分かった。法廷に出席した母親はメディアに、息子がオーガニック以外の食事を取ることができないと語っている。
これを受け、判事は連邦保安官に対し、食事の問題を解決するよう命令。結果、オーガニックフードが提供されることになった。

なおチャンスリー氏は、トランプ支持者の集会やアリゾナ州の投票集計所で活動する姿がビデオに収められており、地元メディアのアリゾナセントラルは同氏を、アリゾナにおける右派の政治集会ではお馴染みの存在と報じている。
少なくとも2019年から州議会議事堂付近でQアノンに関連する様々な陰謀論を触れ回っていたという。現在は無職だが、俳優を志していたという噂もある。