プーチン氏が日本アニメ好きの若者を恐れるわけ

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ロシア国内の各地で10代の若者らが乱闘騒ぎを起こしている問題について、プーチン大統領は恐れを抱いているという。

テレグラムチャンネル「General SVR」によると、国内の混乱に過敏になっているプーチン氏は「冗談抜きで」恐れており、グループの兆候をあらゆる手段でつぶし、「新たな現象」と戦うよう命令を下した。先月27日に行った指導部との会議では、問題に対する効果的な措置に関する報告を受けたという。

General SVRは、ロシア政府機関の元職員が運営していると主張するチャンネルで、ウクライナ侵攻の開始以来、プーチン氏の重病説や愛人の妊娠など数多くの話を共有している。

若者らは「PMC Redan」と名乗り、先月、サンクトペテルブルクをはじめとする複数都市で、集団による乱闘騒ぎを起こしたと報じられた。

PMCはパラミリタリー(準軍事組織)を連想させるが、メンバーの一人は、ニューズウィークの取材に、ジョークで使用しているものだと話したという。アニメ「HUNTER x HUNTER」に登場する盗賊集団「幻影旅団」に触発されたとされ、それと関係するクモの描かれたTシャツを着る姿がシェアされている。

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過激なナショナリズムが背景にある可能性も指摘されており、あるメンバーはニューズウィークに、運動を一言で表すと「ロシアのためのロシアだ」と答えたという。

ロシアのニュースメディアBazaは先月、モスクワのショッピングセンターで二日間連続で乱闘を起こし、一晩だけでも30人近くが拘束されたと伝えた。メンバーらは地域のサッカーファンやコーカサス地方の出身者、移民に対抗的だという。Bazaはその後、モスクワの警察の間で、グループの兆候を示す若者をすべて拘束するよう指令が下ったと報じた。

なお、先述の会議の中で、ロシア安全保障会議書記ニコライ・パトルシェフ氏は「PMC Redanは、ロシア情勢を不安定にするための敵の情報機関の策略」と主張したという。

一方で、運動はウクライナにも飛び火している。先月末、ウクライナ国家警察が、PMC Redanに関連するテレグラムチャンネルの創設者を拘束した。さらに25日から28日にかけて、キーウを含む複数都市で、数百人のティーンエイジャーが集団乱闘を組織するのを阻止したと報じられた。

拘束されたチャンネル開設者の年齢は16歳と13歳だった。16歳の少年の登録者数は2,500人ほどで、SNSでPMC Redanが話題になっていたことから、広告費を稼ごうと始めたと証言している。