ジェフリー・エプスタイン事件についてFBIの捜査への協力を拒んでいるとされる英国王室のアンドルー王子が、裁判で証言を強いられるかもしれない。
デイリーメールは21日、エプスタイン被告の性犯罪被害の告発者の一人、バージニア・ロバーツ・ジュフレさん(37)が、今週にもアンドルー王子を相手に、多額の損害賠償を求める訴えをニューヨークの裁判所に起こす可能性があると伝えた。
ジュフレさんは、17歳だった2001年に、エプスタイン被告の仲介でアンドルー王子と性行為を強要されたと主張している。
ジュフレさんの弁護士、デビッド・ボイス氏は同紙に、訴訟は「ジェフリー・エプスタインよってアンドルー王子に貸し出された件に基づくものだ」と述べ、訴えには「不適切な性的行為、肉体的および精神的苦痛、損害賠償の請求が含まれる」と話した。
2019年に施行されたニューヨーク州の児童虐待法(The Child Victims Act)では、ジュフレさんは、今週土曜日まで民事訴訟を提起することが可能だという。同法は、提訴可能な期間を大幅に延長するとともに、改正前に期限を迎えた事件についても、特別に申し立て可能な期間を設けた。この期間は当初は法施行後の半年から一年間とされたが、パンデミックを理由に今年8月14日まで延長されている。
ジュフレさんは、エプスタイン被告と共謀したとして起訴され、現在収監中のギレーヌ・マクスウェル被告のロンドンにあるタウンハウスで、2001年にアンドルー王子と性行為を強要されたと主張している。なお、エプスタインとの出会いについては、トランプ前大統領のフロリダの別荘でアルバイトをしていたところ、マクスウェル被告からエプスタイン被告のマッサージの仕事をしないかと誘われたことがきっかけだと話している。
ジュフレさんは2019年にテレビのインタビューで、その日の状況を語っている。
当日、マクスウェル被告から「あなたは今日、プリンスと会うのよ」と知らされたといい、王子とクラブに出かけた後、「エプスタインにしていることを彼にもやって欲しい」と指示を受けた。性行為は最初バスルームで、その後ベッドルームで行われたという。その後も、ニューヨークにあるエプスタイン氏の自宅とヴァージン諸島で、性行為をさせられたと主張している。
なお、アンドルー王子はエプスタイン被告との交友関係を認めているものの、ジュフレさんと会った覚えはないと主張している。2019年のBBCのインタビューでは、ジュフレさんが、クラブで王子がたくさんの汗をかいていたと証言していることに対して、当時、自分には発汗しない病状があったと語ったほか、この日にタウンハウスで撮影されたとされる、2人が一緒に映る写真について、偽造された可能性があると示唆するなど、苦しい説明に終始した。
“I didn’t sweat at the time because I had suffered what I would describe as an overdose of adrenalin in the Falkland’s War when I was shot at.”
— BBC Newsnight (@BBCNewsnight) November 16, 2019
Prince Andrew disputes claims he had a sweaty dance with a woman who made allegations against him https://t.co/gfKvOEFG9p #Newsnight pic.twitter.com/7ZKscPB5lX
先述のボイス弁護士は、アンドルー王子の代理人に対して、両者が交渉を継続できるよう、書簡で提訴期間の延長に同意するよう求めているが、返答はないとういう。
ジュフレさんが最終的に提訴に踏み切るか明らかではないが、裁判となった場合、アンドルー王子は難しい選択を迫られる。
情報筋は同紙に、争うことを選択した場合、証言や証拠の提出をしなければならず、これらは最終的に公にされる可能性があると指摘。一方で、欠席を選べば敗訴となり、評判に大きな傷がつくだろうと述べている。