ロシアの傭兵組織「ワグナーグループ」の創設者とされるエフゲニー・プリゴジン氏は、プーチン氏との個人的な会話で、軍幹部らは戦争の対処を誤っていると伝えたという。ワシントンポスト紙が、米当局者の話として報じた。

同紙は、プリゴジン氏がプライベートで安心して軍を批判できるのは、ロシア軍が劣勢に立たされる中、同氏の影響力が増していると同時に、正規軍のリーダーシップの立場が揺らいでいることを示すものだとしている

これとは別に、米当局者らに提供されたインテリジェンスレポートの中では、プリゴジン氏のロシア国防省に対する不満やショイグ国防相との対立が報告されているという。レポートでは、プリゴジン氏が、国防省がワグナーグループに過度に依存しているにも関わらず、十分な資金とリソースを与えていないと表明したことなどが記されているという。

プリゴジン氏は、長らくプーチン氏の外交上の目的の推進を影で助けているとされ、2016年のロシアによる米選挙介入問題では、ネットを使った干渉活動を監督したとして、FBIから指名手配されている。プーチン氏が頻繁に訪れるレストランと、州や市当局と高額な契約を結ぶケータリング会社を所有していることから「プーチンの料理長」の愛称で呼ばれる。ワグナーグループへの関与について否定を続けていたが、先月、自ら刑務所を訪れ、囚人らを徴収兵に勧誘する映像が公開された。

CNNは先月26日、プリゴジン氏が、自身のケータリング企業を通じた声明で、2014年に組織を立ち上げたことを明かしたとし、ロシアのパワーバランスが変化しつつある可能性を指摘していた。

また米当局者らは、プリゴジン氏が最近、ワグナーの兵士らが食糧不足などの窮状を訴える動画を流すなどして、資金提供を引き出すために政府に圧力をかけているとみているという。

一方、プリゴジン氏は声明で、プーチン氏と個人的に接触した事実はないと報道を否定。ロシア連邦軍のマネジメントを批判してもいないと反論している。

プーチン氏のロイヤリストとして知られるチェチェンの独裁者カディロフ氏も、公に軍幹部を批判している。

ウクライナ侵攻当初からチェチェンの部隊を投入し、最近では10代息子3人を前線に送ると宣言したカディロフ氏は、今月初めにロシア軍のリマン撤退が伝えられた後、テレグラムの投稿で「軍隊の縁故主義は良い結果を招かない」と批判。ロシア軍の司令官は勲章を剥奪され、恥を血で洗い流すために銃をもって前線に送り込まれれるべきなどと主張した。