「メディアがハンター・バイデン氏の疑惑をスルー」半数が回答。米世論調査

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ハンター・バイデン
vasilis asvestas / Shutterstock.com

ラスムセンの世論調査によると、有権者の52%が、バイデン次期大統領の選挙キャンペーンを支援するため、多くの報道機関が息子ハンター氏の報道を無視したと感じていることが分かった。「そうは思わない」と回答したのは32%、「分からない」17%だった。

支持政党別では共和党員の78%は、メディアは情報を無視したと回答。民主党は32%、無党派では46%だった。男性の方が女性よりも、無視したと感じる傾向が強かった。

調査は12月13日-14日、投票する可能性の高い有権者1,000人に実施された。誤差幅はプラスマイナス3パーセント。

56%は、バイデン氏がハンター氏から中国事業に関する相談を受け、そこから何らかの利益を得た可能性が高いと思っている。38%はその可能性は低いと回答した。

政党別では、共和党支持者の73%が利益を得た可能性があると回答し、民主党(21%)や無所属(36%)よりも圧倒的に多い。年配になるほど、利益を得たと回答する傾向が高かった。

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有権者の70%は、ハンター氏のビジネスに関する報道に注目していると回答した。人種別では黒人は、白人や他のマイノリティーよりも、ハンター氏の報道に関心がなく、メディアやバイデン氏に疑惑を持っていないことが分かった。

選挙直前にハンター氏の疑惑報道

ニューヨークポスト紙は10月14日、ハンター氏がブリスマ社幹部とバイデン氏の面会を仲介するなど、息子の取引にバイデン氏が関与した疑惑を報じた

記事掲載から間も無く、フェイスブックはファクトチェックが必要だとして、配布を制限すると発表。またツイッターも「ハッキングされた素材の配布」に関するポリシーの違反するとして、同社のアカウントを停止した。
ニューヨークタイムズは、ニューヨークポスト紙内部でも、素材の真正性に関して十分な検証がなされたか疑問の声が上がっていたと報道。情報ソースの信頼性に疑問を呈していた

なおシンクレア・ブロードキャスト・グループのジェームズ・ローゼン記者は同月末、司法省の関係者の話として、FBIは2019年、ハンター・バイデン氏と関係者に対して資金洗浄の疑いで犯罪捜査を開始し、現在も捜査が有効であると伝えた

ハンター氏は今月9日、政権以降チームが発表した声明の中で、デラウエア州の連邦検事局から税務に関する捜査を受けていることを初めて知ったと明らかにした。捜査の詳細は明らかにしていない。

AP通信によると、検察は8日にハンター氏に出した召喚状で、ウクライナのエネルギー企業、ブリスマ社を含む24社以上に関連する資料の提出を求めたと報じた。同社は情報筋の話として、少なくとも捜査の一部は、ハンター氏の過去の中国における取引に焦点を当てていると伝えた。

ハンター氏の声明発表直後、CNNやポリティコなどはハンター氏の海外事業について詳細を報じた。

ポリティコは、ハンター氏のビジネスパートナーだったデヴォン・アーチャー氏の証券詐欺事件で明るみに出た海外からのハンター氏への支払いを巡り、ニューヨーク南部地区検事局の証券詐欺ユニットが資金洗浄の可能性を視野に、ハンター氏を捜査をしていたと報道。司法省の関心は、税金を超えたものだと伝えた。

ハンター氏の過去数年の活動としては、父親が副大統領だった2014年にブリスマの役員を務め、月5万ドル以上の報酬を受け取っていたほか、汚職で7年の実刑を課されたルーマニアの実業家Gabriel Popoviciu氏に、法的なアドバイスを提供していたと報じられている。またハンター氏は、中国の石油王Ye Jianming氏と、関係者のパトリック・ホー(Patrick Ho)氏との取引を求めていたと伝えた。