ピクサー最新作『ソウルフル・ワールド』劇場公開を取りやめ。Disney+で配信

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ディズニーは、ピクサーの新作アニメ『ソウルフル・ワールド』(Soul)の劇場公開を取りやめ、Disney+(ディズニープラス)でクリスマスに配信すると発表した。8日、AP通信が報じた。

同作品は、ニューヨークでジャズミュージシャンを夢見る中学校教師の魂の物語。ジェイミー・フォックス(Jamie Foxx)とハミルトンのダヴィード・ディグス(Daveed Diggs)が声優を務めた。監督は『カールじいさんの空飛ぶ家』(UP)や『インサイド・ヘッド』(Inside Out)を手がけたピート・ドクター(Pete Docter)氏。当初11月20日の全米公開を予定していた。

ドクター監督は声明で「世の中は、疲れる、そしていら立たしい場所でもありうるが、一見ありふれた出来事が、予期しない喜びで満ち溢れる場所でもある」と述べ、「これは、いま多くの人の問いでもある、人生の中で何が最も重要かについて探索する作品だ」と語った。人々にユーモアや楽しみをもたらせてくれることを願うと述べている。

先月ディズニーは実写版『ムーラン』を30ドルで配信したが、『ソウルフル・ワールド』は、追加料金なしで視聴できる。

大作不足で劇場は再び閉鎖

MGMはホリデーシーズンに公開を予定していたダニエル・クレイグ主演の映画『007ノー・タイム・トゥ・ダイ』を来年に延期すると発表した。これまでに、マーベルの『ブラック・ウィドウ』や『ワンダーウーマン1984 』『トップガン マーベリック』なども劇場公開が延期されている。

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007の公開延期後、リーガルシネマズの親会社で世界第2位の大手映画館チェーン、シネワールド・グループ(Cineworld Group)は5日、米国と英国の劇場650館以上の運営を一時停止すると発表した。

同社は、ニューヨークなどで劇場再開の見通しが立たない中、スタジオ側は「新作を公開することに消極的だった」と述べ、「(顧客が)劇場に戻りたいと思うような、強い商業作品を提供できない」と閉鎖の理由を語っている。

全米劇場オーナー協会(National Association of Theatre Owners)は8日、#SaveYourCinema キャンペーンを開始。連邦議員に書簡で、劇場主への財政支援を求めた。なおこの書簡には、スティーブン・スピルバーグ監督や、ジェームズ・キャメロン監督、パティ・ジェンキンス監督も名を連ねている。政府による援助がない場合、69%の中小企業の映画館が廃業または破産すると主張している。

なおプライスウォーターハウスクーパースは、米国の劇場の年間収入に関して、昨年の114億ドルより65.7%減の39億ドルになると予測している。