急進左派による政治的な訴追、ペンス前副大統領 トランプ氏を擁護

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トランプ前大統領の起訴の可能性をめぐり、副大統領として政権を支えたマイク・ペンス氏が、捜査当局に対する非難の声に加わった。

トランプ氏は18日、自身のTruth Socialのアカウントを通じて、火曜日(21日)にも自分が逮捕されると投稿。「抗議せよ。国を取り戻すのだ」と支持者らに反発の声を上げるよう呼びかけた。

この日、ジョニ・アーンスト上院議員とシンクタンク、バスティオン研究所の開催するイベントに出席するためにアイオワ州デモインを訪れたペンス氏は、記者らに対して「前大統領を起訴するという考えは、何千万人のアメリカ人と同様、私にとっても深刻な問題だ」と懸念を表明。続けて「特に、州司法長官や公選職の人々が、実際に前大統領を訴追することを公約に掲げて選挙戦を展開しているニューヨークのような、政治色の強い環境のような場所で起きている」と、訴追は政治的動機によるものとの考えを示した。

トランプ氏が投稿する前日の17日、米メディアでは、マンハッタン地検がトランプ氏の起訴の可能性を見越して、関係機関に協議の申し入れを行ったと報じられた。協議内容は、出頭に際してのセキュリティなどに関するものとみられている。

トランプ氏は投稿の中で、マンハッタンのアルビン・ブラッグ検事を「腐敗し非常に政治的」「暴力犯罪が新記録に達している」「リーダーにジョージソロスが資金提供している」などと主張した。

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ペンス氏はabcニュースの独占インタビューでも同様の見解を表明。「ニューヨークで犯罪の波が起きているときに、前大統領を起訴するという考えには驚かされる」とした上で、「マンハッタン地検が、トランプ大統領の訴追を第一優先にしているという事実が、この国における急進左派のすべてを物語っている」と主張。「政治的な起訴のように感じられる。アメリカ国民が望むようなものではないと感じている」と加えた。

「この国に2つの司法制度があると感じているというアメリカ人の不満には、十分な根拠があると思う」とする一方で、抗議は「平和的で、合法的な方法である必要がある」と指摘。「1月6日の暴力」は「恥ずべきものだった」と述べ、「暴力は容認されず、暴力に従事するものは法のおよぶ限りにおいて訴追されるべきだ」とした。

2024年大統領選への出馬の可能性もささやかれるペンス氏は、自らが危険に犯された1月6日の議事堂襲撃事件をめぐって、トランプ氏に批判的立場に回っていた

共和党下院のトップ、ケビン・マッカーシー下院議長もツイッターで「凶悪犯を野放しにしておきながら、トランプ大統領への政治的復讐を追い求めるという、ラディカルな検事によるとんでもない職権濫用」と非難。「政治的動機に基づいた訴追を用いた選挙妨害により、われわれの民主主義を転覆させるために連邦の資金が使用されていないか、関係委員会に直ちに調査を指示する」と宣言した。

一方の民主党からは、トランプ氏の抗議の呼びかけを非難する声が上がっている。

ナンシー・ペロシ元下院議長は、元大統領であっても法を超越しないと述べた上で、トランプ氏の投稿を「無謀」と批判。メディアに取り上げられ続け、支持者らの不安を煽ろうとしているとツイートした。

マンハッタン地検が大陪審に訴追を求めるとみられるのは、トランプ氏と肉体関係を持ったと主張するポルノ女優のストーミー・ダニエルズ氏に支払われた金銭をめぐるもので、ニューヨークタイムズは、財務記録の虚偽報告のほか、選挙資金法の違反が追求される可能性があると伝えている。