SNSでのキッチン自慢は差別的、米専門家

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SNSに自宅のキッチンパントリー(食品庫)を投稿することがトレンドになっているが、米国の専門家から、階級差別で人種差別、性差別主義に基づく行為との指摘が上がった。

ロヨラ大学でマーケティングを研究するジェナ・ドレンテン准教授は、Conversationに掲載した論説で、調味料や食材を透明の容器に入れ、整然と並べた様子をTikTokやインスやグラムなどで公開するのは、現代のデジタル消費文化の特徴だと指摘。こういった行為は「パントリー・ポルノ」だと述べた。

シンプルライフや断捨離といいながら、より多くの容器やラベル、収納スペースを求めていると指摘。現在の風潮について、”より多く”を求める「新ミニマリズム」と主張した。

さらに、整理整頓やきれい好きはステータスと絡み合っており、乱雑さは、自己責任や社会的地位への思い込みを生じさせると説明。乱雑さを否定することの根底には「階級主義や人種主義、性差別主義の社会構造の歴史がある」と述べた。

「ポントリー・ポルノ」は白人女性に多い

インフルエンサーの代表格キム・カーダシアンは2020年、SNSでウォークインクローゼット並みの巨大なパントリーの動画を投稿。美しく陳列された食品棚が話題となった。

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ドレンテン氏が調査した結果、SNSでポントリー・ポルノを紹介しているインフルエンサーは、圧倒的に白人女性が多かったという。完璧に整理整頓されたパントリーで「新たなステータスの象徴」を作り出し、”素敵な”お家を維持するためのデモンストレーションを行っていると皮肉った。

パントリーを「ステータスの象徴」に変えた中心的な人物は、カーダシアン家であり、元「リアル・ハウスワイフ」のスター、ヨランダ・ハディッドだが、それらは、新型コロナウイルスで生じた物不足で加速したという。「手元に物をキープしておくことは、金とスペースを持つ人々にとって、レジリエンスの象徴となった」と説明した。

家事を楽にするはずのパントリー・ポルノだが、「理想的な母親、妻、女性になるための野心的な基準」を設けることになったと説明。ドレンテン氏は、一部の女性にとってはプレッシャーとなり「一体誰にとって楽になったのか」と疑問を呈した。