米政府高官 NYタイムズにトランプ政権批判を匿名寄稿

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ニューヨークタイムズは5日、自らをトランプ政権内部の「レジスタンス」(resistance)とする政府高官による論説を匿名で掲載した。

匿名による掲載は、同社にとっても異例の対応となる。同社は匿名掲載の理由を、本人の職が危険にさらされるとし、エッセイを匿名で掲載することが唯一の方法だ、と冒頭で述べた。

高官は投稿記事で、「職員の多くが、トランプ政権のアジェンダを部分的に妨げようと必死に仕事をしている」とし、自分のその一人だと紹介。またトランプ政権による成果を「政策の多くが米国に安全と繁栄をもたらした」と評価しつつ、大統領の行いを国家の精神衛生にとって、有害であると述べた。

また記事ではトランプ大統領を「道徳心が欠如している」、「衝動的、敵対的、惨めな、効力のないリーダーシップ」「反民主的」「不安定」などと非難。大統領が職務を遂行できない場合の対応などを定めた合衆国憲法修正第25条の発動が、閣僚の中でささやかれはじめている、としている。

また、レジスタンスの努力の結果、現在の政治に2面性が生じているとし、トランプ大統領が、同盟国との協調関係をないがしろにし、プーチン大統領に好意を示す一方で、米国は世界の同盟国と協調し、ロシアに経済制裁を継続していると説明した。制裁の継続によって、自身の立場がさらなるロシアとの対立に向かうと、トランプ大統領が数週間にわたって不平を述べていることなどを明かした。

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後半では、8月に他界した故ジョン・マケイン上院議員に触れ、「すべてのアメリカ人はマケイン氏の言葉を心に留めるべきである。この偉大な国が共有する価値と愛を持って一体となるという高い志とともに、部族間対立の罠から解き放たれなければならない」と述べた。

トランプ大統領

政権内部からの批判という異例の記事に対し、ホワイトハウスでのイベントに出席していたトランプ大統領はすばやく反応した。

「これは対処しなければならない問題だ」と述べ、「ニューヨークタイムズとCNN、他のいんちきメディアは、私が大統領を終えたら倒産するんだ」「書くことがなくなるから、彼らは倒産するんだ。この政権は誰も達成し得なかったことを成し遂げているから。」と語った。

その後、「反逆罪?」とツイートするなど、複数回にわたって記事に触れた。

「国家反逆罪?」

「もし勇気のない匿名の人物が本当にいるのだとしたら、国家安全保障上、タイムズは彼/彼女をすぐさま政府にさしださなければならない」

政府高官は誰か?

投稿者の正体について、早くも様々な憶測が飛び交っている。

CNNは13人の候補を発表。ジョン・ケリー首席補佐官や大統領からバッシングを受けている、ジェフ・セッションズ司法長官、さらには娘夫婦:通称「ジャバンカ(イバンカトランプとジェラッドクシュナー)」、先日「I REALLY DON’T CARE. DO U?」とミステリアスなメッセージが書かれたジャケットを着用しメディアの前に現れた、メラニア夫人の名前まで飛び出した。

マイク・ペンス副大統領説

文章内で使用されている「Lodestar(道しるべ)」があまり一般的でないことから、過去に同様のワードを使用したことのある副大統領だとする声も。

深夜のバラエティーのホスト、ジミー・キンメルもペンス副大統領の可能性を指摘した。

ソースNew York Times