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NY州、警察官の懲戒記録の保護廃止など警察改革法案成立へ

ニューヨーク州のクオモ知事は8日、州議会が提案した刑事司法改革法案に署名する意向を示した。一連の法案には、警察官の過去の懲戒記録を機密扱いとする州法50-aの廃止が含まれる。

法案は以下の4つ

  • 州法50-aの廃止。
  • 警察官によるチョークホールド(首しめ)の禁止。
  • 人種に基づく虚偽の通報を禁止し、ヘイトクライム(憎悪犯罪)とする。
  • 警察官が起こした非武装の民間人の死亡事件の調査に関し、地区検察ではなく、州司法長官が行う。

50-aは、警察官や刑務所の警備員、消防士の人事情報を保護する州法で、1970年代に成立した。
NBCニューヨークによると、刑事事件の弁護士が、人事に関する無関係な情報について、反対尋問を行うことを防ぐ目的がある。同法を盾に、違法疑いがある行為や、過度の取り締まりに関する情報も機密扱いとされてきた。

同法はエリック・ガーナーさんの死亡事件で注目を浴びた。2014年スタテンアイランドの路上で、違法なタバコを販売していた黒人男性のガーナーさんは、手錠をかけられるのを拒否した際、ダニエル・パンテレオ元警官によるチョーク・ホールドで死亡した。スタテンアイランドの大陪審はパンテレオ氏を不起訴としている。デブラシオ市長は2016年、50-aによって、パンテレオ元警察官の懲戒記録の公表は阻止されたと主張した。

50-aが廃止された場合、教師など他の公務員と同様、警察官の懲戒記録の透明性が確保される。住所や電話番号などは保護される。

人種に基づく虚偽通報に関しては、セントラルパークで先月、犬のひもをつなぐよう黒人男性に忠告を受けた白人女性が、「アフリカンアメリカンの男性に脅されている」と911に偽の通報を行ったことで、大きな問題となった。

体系的不公平を終わらせる

クオモ氏は会見で「もう十分だ。– われわれは同じ状況が起こるのを20、30、40回も見てきた。行動に移す前に、何度同じことを見なければならないのか?」と述べ、これらの法案に署名すると述べた。

同性婚や大学の無償化、最低賃金引き上げに言及し、今回ニューヨーク州で成立した法律は、他州のモデルになることを願うと語った。

クオモ氏は、ジョージ・フロイドさん死亡事件の抗議デモについて、「体系的な人種差別についてであり、体系的不公平、体系的不平等に関するものだ」と指摘。地域の財源によって異なる教育システムや、連邦政府が中止した公営住宅などのアフォーダブルハウジング、コロナの被害で露呈したヘルスケアシステムの格差などに言及し、不公平の根本的原因は、現在われわれが対処すべき問題だ」と述べた。「教育や医療、住宅、取り締まり、刑事司法など、体系的不公平や不平等を終わらせる」と語った。

警察ユニオンらは、50-aを廃止し、記録を開示することは「警察官に対して名声や生活に、避けられないかつ取り返しのつかない危害を及ぼす可能性がある」と警告している。

8日ワシントンスクエアパークで行われた抗議デモの参加者らは、警察部門の財源を削減し、学校や公共サービスなどへの再分配を求める「デファンド・ポリス(DEFUND POLICE)」を訴えた。

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