NY州で新型コロナ感染者200人超え。クオモ州知事「CDCには頼れない。自力で対処する」

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感染が拡大する新型コロナウイルスに関し、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事は11日、「ニューヨーク州は自力で問題に対処する」と述べ、28の民間研究所と直接契約を結び検査能力の拡大をはかると発表した。

11日時点でのニューヨーク州の感染者は216人となり、前日から43人増えた。内訳は、ニューヨーク市52人(+16)、ウエストチェスター郡121人(+13)、ナッソー郡28人(+9)、ロックランド郡6人(+5)、サラトガ郡2人、サフォーク郡1人、アルスター郡1人。

クオモ知事は冒頭、中国と韓国の症例数について「症例数の”傾きの軌道”を変えたものは何だ?膨大な量の検査と調査だ」と述べ、「中国は1日20万回の検査、韓国は1日1万5,000回の検査だ。彼らは検査を積極的に行い、陽性の患者を発見し、隔離し、これらの患者と接触のあった人々を突き止めている。膨大な検査だ」と中韓の取り組みに言及。一方、米国の検査回数はこれまで5,000回であるとし、「われわの検査能力は必要なものから程遠い」と語った。

続けて「故に、ニューヨーク州は自力で問題に対処する。検査能力を拡大するためこの州にある民間の研究機関と直接契約を開始する」と発表。また「われわれはCDC(疾病対策センター)とFDA(食品医薬品局)にこの検査プロトコルの管理を頼れる立場にない」と語った。

一方、「FDAはこれらの検査の一部のプロトコルを承認する必要があり、それが状況を複雑にしている」と述べつつ、「しかしながら、これら28の研究機関を走らせることで検査能力が大幅に増大する」と語った。検査で多くの感染者を特定することで、感染の拡大を封じ込めることができると述べている。

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クオモ知事また、人々の密集を避けるため、ニューヨーク市立大学(CUNY)とニューヨーク州立大学(SUNY)について、3月19日から遠隔学習モデルに移行すると発表。さらにニューヨーク市を中心とするビジネスリーダー数百名と話し、在宅勤務や勤務時間をずらすなど、自発的に密集を控える措置を講じるよう求めたと明かした。

17日にニューヨーク市で開催を予定しているセント・パトリックスデー・バレードについては、後ほど決断を下すと語った。

クオモ州知事は前日、クラスター発生の疑いがあるNY市郊外のウエストチェスター郡ニューロシェル(New Rochelle)の一部地域の封鎖を発表した。同地区では今月3日、マンハッタンに勤務するニューロシェル在住の50歳の弁護士の感染が確認されて以来、感染者が増加し続けている。


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