狂気をやめて、敗北認めよ:NYポスト紙トランプ氏に提言

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ルパード・マードックのニューズコーポレーション傘下のニューヨークポスト紙は社説で、トランプ大統領に対して、選挙結果を覆そうとする「悪意のある茶番」をやめて、1月5日にジョージア州で行われる上院議員決選投票に集中するよう訴えた。

同紙は今年、トランプ氏を再選させることが「米国にとって最良の選択だ」として、支持を表明していた。

編集委員は、トランプ氏は不幸にも、決選投票の翌日に議会で実施される「形式的」な選挙人票の認定に固執していると主張。共和党議員に「勇気」があれば、結果を覆すことができるとツイートするなど、「非民主主義的なクーデター」に声援を送っていると批判した。

トランプ氏には選挙について調査するすべての権利はあるとしつつ「はっきり言うが、これらの取り組みからは何も見つからなかった」と断言。弁護士のシドニー・パウエル氏は「イカれた人物」で、戒厳令を提案するマイケル・フリン氏は「国家反逆も同然だ」と述べ、「とんでもない輩だ」と語った。

シドニー・パウエル氏とマイケル・フリン元大統領補佐官は、18日にホワイトハウスで行われた会議に参加したと報じられている。会議では、パウエル氏を特別検察官に任命して選挙不正に関する捜査を進める案や、軍隊を介入させて投票機の没収や選挙のやり直しを行う案などが話し合われた。いずれの考えも、大統領法律顧問らの強い反対にあったと伝えられている。

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ポスト紙は続けて、この道を進むことは破滅的だと警告。将来の復帰も視野に入れて、影響力を強化したいのならば、怒りを生産的なものに変えなければならないと述べ、「1月6日について考えるのを辞めて、5日について考え始めなければならない」と訴えた。

ジョージアで勝利すれば、トランプ氏の功績をバイデン氏が押し戻すことを阻止すること可能で、イラン核合意や国境の壁、最高裁判事の人数拡大といった政策に圧力をかけることができると主張。ジョージアを落とせば、すべてが脅威にさらされると述べた。

民主党は、トランプ政権を一期限りの逸脱として消し去ろうとするだろうと述べつつ、「率直に言って、あなたは彼らがそうするのを助けている。世界が腐敗しているとわめき散らすマール・ア・ラーゴのリア王だ」と皮肉った。

1月5日の決戦投票では、現職のデビッド・パーデュー議員(共和党)とジョン・オソフ氏(民主党)、21人の候補者が乱立した特別選挙の上位2名、ケリー・ロフラー議員(共和党)とラファエル・ワーノック氏が対決する。

11月3日の一般投票の結果、共和党が50議席、民主党が48議席を確保した。共和党はジョージアの1議席を守ると過半数を維持することができる。一方、民主党は2議席ともに勝利すると、上・下両院で過半数(上院では副大統領に議長決裁票が属する)となり、バイデン政権は政策をより優位に進めることができる。