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NY市 ソーシャルディスタンス違反の逮捕70%が黒人。新型コロナ時代のストップアンドフリスクか?

ニューヨーク州では現在、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、ソーシャル・ディスタンス(他人と約2メートルの距離を保つ)の徹底を住民に求めている。違反者には最大1,000ドルの罰金が科せられる。

CBSニューヨークによると、ニューヨーク市警察(NYPD)は3月16日から5月5日の間に、ソーシャル・ディスタンス違反により120人を拘束、368人に召喚状が発行された。逮捕者のうち68%が黒人で、24%はヒスパニック、7%が白人だった。召喚状に関しては、黒人が193件、ヒスパニックが111件、白人は51件、アジア人は14件だった。
この間のNYPDの接触件数は1万件だった。なお、警察官による呼び止めは、前年同時期の2,335件から1,053件に減少している。

ブルックリンでは逮捕者の90%が黒人

ブルックリン地区検事長が7日に公開した統計資料によると、3月17日から5月4日までの間に、ソーシャル・ディスタンス違反で40人が拘束された。このうち35人が黒人だった。3分の1以上が、黒人の居住者が多いブラウンズビル(Brownsville)で拘束されており、パークスロープなどの白人が多い住宅地での逮捕者はいなかった。同地区のエリック・ゴンザレス(Eric Gonzalez)検事長は、全ての訴追を退けると発表している。

先週、ロウアーイーストサイドで、警察官が男女2人にソーシャル・ディスタンスを求めた際、所有物からマリファナを発見し、逮捕劇へと繋がった。通りがかりの男性1人を含む3人が拘束されたが、この際、警察官の1人が暴行を加えたとして、NYPDの行きすぎた取締りを非難する声が高まっている。現在内部調査が行われており、警察官の1人は現在職務を変更されている。イーストサイドでも、15歳の少年が路上に押さえつけられ、逮捕される様子が物議を醸した。

ストップ・アンド・フリスクとの類似性を懸念する声

取締りに関して、人種間での偏りが見られることから、一部からはストップ・アンド・フリスク(呼び止めによる身体検査)に類似すると懸念する声が上がっている。

デブラシオ市長は7日の会見で、ストップ・アンド・フリスクは「システム的かつ圧政的な違憲戦略であり、解決よりもより大きな問題を生み出した。」と述べる一方、「ソーシャル・ディスタンスは、パンデミックへの取り組みで、人々の命が常に危険にさらされているという事実に対応するものだ。これらの定義において、安全を守る警察官は、取り組みの一部である必要性がある。」と警察による取締りの必要性を主張した。

NYPDのダーモット・シエイ警察委員長は、取締りは慎重かつ公平に行われており、逮捕に関しては、命令を拒否した少数の人に対して行われたと述べた。

ジュマーニ・ウィリアムズ(Jumaane D. Williams)市政監督官は、逮捕者の90%がマイノリティだとして、ソーシャル・ディスタンスの取締りが不均衡に行われていると非難。NYPDに対し、違反が発生している地域の郵便番号別と統計データを公表するよう要求している。

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