ニューヨーク地下鉄 男に銃を向け、10数名の警察官が突進

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25日、ニューヨーク市ブルックリンのフランクリン・アベニュー(Franklin Avenue)駅で、10数名の警察官が車両内にいる男性に銃を向け、取り押さえる騒ぎがあった。

SNSに投稿された動画では、車両の外に待ち構えた警察官が、男性に手を挙げるよう命令。地下鉄の扉が開くと一斉に突入し、男性を床に伏せ、手錠をかける様子が映っている。

動画の投稿主は、「男性は逃げようとも、反抗しようとも、隠れようともしていない。皆がこの場を退いた理由は、警察全員が銃を取り出し、彼に狙いを定めたからだ。」と説明している。金曜午後に投稿された動画は大きな反響をよび、3日間で300万回以上再生されている。

ニューヨーク市警察(NYPD)は27日、男性をエイドリアン・ナピア(Adrian Napier)(19)と発表した。
NBCニューヨークによると、警察官は目撃者からナピア容疑者が、アトランティックとフラットブッシュ・アベニュー付近で銃を所持していると話を聞いた。その直後、警官がナピア容疑者に近づくと、パシフィック・ストリート駅に逃げ込んだという。ナピア容疑者は、改札口を乗り越え、南方面の4番電車に乗車。少なくとも10人の警察官がフランクリン・アベニュー駅で電車の到着を待ち構え、この騒動に至った。

結局ナピア容疑者からは銃は見つからなかったが、NYPDはその後、無賃乗車で逮捕し、サービス窃盗の容疑で起訴したと発表している。
NYポストによると、ナピア容疑者は、ストリートギャング集団クリップス(Crips)のメンバーで、暴行や強盗、重窃盗罪など14件の前科がある。

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警察の行き過ぎた対応に非難の声も多く寄せられている。2020年大統領選の民主党の指名を目指す、ジュリアン・カストロ(Julian Castro)元住宅都市開発長官は、「2.75ドルの運賃をめぐって、人々の命を危険にさらすのではなく、警察官は状況を鎮めるるよう取り組むべきだ。」と批判した。

NYPDはカストロ氏に対し「このビデオには、目撃者がこの男が銃を振り回していると警告した部分が写っていない。警察官が彼に質問しようと近づくと、駅に逃れ、電車で逃げようとしたのだ。」と逮捕に至る状況を説明した。