31日、マンハッタンのタイムズスクエアでカウントダウンイベントが盛大に開催される中、会場近くで警備に当たっていたニューヨーク市警察の警官がなたで襲われ、負傷する事件が発生した。捕まった容疑者は、最近になってジハード主義者の考えを示すようになったことから、連邦捜査局(FBI)から事情を聞かれるなどしていた。
事件があったのは午後10時から11時の間、52ndストリートと8thアベニューが交差する地点で、イベントのために保安検査ポイントや入場規制が設けられた敷地のすぐ近くだった。
Watch as Police Commissioner Sewell & Mayor Adams provide an update on a police involved incident in Manhattan. https://t.co/ha11b02Fvq
— NYPD NEWS (@NYPDnews) January 1, 2023
会見を行ったスーウェル警察本部長の発表によると、警官3人が襲われ、このうち2人が頭部を負傷した。負傷者の1人は勤続8年のベテランで、頭部に裂傷を負った。もう1人は前日に警察学校を卒業したばかりの新人で、頭蓋骨骨折の重症を負った。3人とも病院に搬送され、手当を受けた。容体は安定しているという。容疑者は、警官の撃った弾で肩を負傷し、同じく病院に搬送された。スーウェル氏は、単独犯による、無差別犯行だとし、容疑者逮捕後の進行中の脅威はないと強調した。
回収された凶器↓
This is the weapon that was recovered at the scene. https://t.co/Waaux2hUTt pic.twitter.com/EijU7QUgkQ
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会見に同席したFBIニューヨーク支部のマイク・ディスコール氏は、ニューヨーク市警察と緊密な連携をはかり、犯行の性質の特定に務めているとした。
拘束されたのは、メイン州にある町ウェルズ在住のトレバー・ビックフォード容疑者(Trevor Bickford、19歳)。数日前にアムトラックでニューヨーク入りした。一部の報道によると、ホームレスに一時的に滞在場所や食事を提供するボワリー・ミッション(Bowery Mission)に滞在していた。
ニューヨークポスト紙が当局者の話をもとに報じたところでは、ビックフォード容疑者は犯行時、凶器のほかに、バックパックの中に手書きのノートや宗教に関連する資料、現金およそ200ドルを所持していた。
ノートには、母親に対して「良い息子になれなくてすまない」と謝罪する一方で、「あなた方がアッラーに悔い改めをしないことに非常に恐れをいだいている」「それゆえに、あなた方の一部がそれを信じて、地獄の火を逃れることを心の底から願っている」と家族に向けたメッセージが記されていた。
ビックフォード容疑者は3人兄弟で、父トーマス氏が2018年に過剰摂取により41歳で他界したのち、イスラム過激思想の影響を受けるようになったとみられている。
ビックフォード容疑者はノートに、兄弟のトラヴィス氏に「信仰にもっとも近いと思うのは君だ。私が一緒にイスラムを受け入れたいと思った人は、君だ」と願いを記していた。一方、もう一人の兄弟で、米陸軍に入隊しているデヴォン氏については「君は敵の仲間入りを果たしたので、親切な言葉は与えることができない。アッラーに戻ってください」と述べているという。
NBCニューヨークによると、FBIは、ビッグフォード容疑者がジハード主義を表明していることを心配した親族の一人から通報を受け、データベースに登録していた。12月には本人から事情を聞いていたという。