マンハッタンの小売店 大統領選の暴動に備え、ベニヤ板で防衛

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ニューヨーク市の百貨店やブランド各店は、大統領選前後の混乱に備え、窓ガラスにベニヤ板を張る作業に追われている。
今年、マンハッタンで同様の光景を目にするのは、2度目となる。ジョージ・フロイド氏の死亡事件のあった5月末から6月頭にかけて、市内の広範なエリアで、デモに乗じた商品の略奪や放火、破壊行為が発生し、多くの損害が出た。これを受け、市内の小売店は、ベニヤ板を張り付け店を保護した。

ヘラルドスクエアにある大手百貨店メイシーズの旗艦店では31日午後、1階の窓ガラスを覆う作業を八割方終えており、黒のペンキで塗る作業が行われていた。
5月の暴動では、ヘラルドスクエア店とブルックリンのフルトンストリートにある店が略奪にあった。同店の広報担当者は、NBCニューヨークに対し「十分な注意を払い、複数の店舗でセキュリティを強化している」と語っている。店舗は営業を続け、11月3日の大統領選当日もオープンする予定だという。

高級ブランド店が立ち並ぶソーホーでも板張りの作業が行われていた。ソーホーは、5月の暴動で特に大きな被害が出た。板を取り付けていたにも関わらず、商品を略奪された店も多い。ルイヴィトンやモンクレール、シャネルなどでは、より頑丈な外壁が設置されていた。なお同地区では秋以降、集団万引も多発している。

ニューヨーク 略奪防止 ベニヤ板 大統領選挙
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ミッドタウンのブルーミングデールズ。

ニューヨーク市警察(NYPD)も、大統領選前後に抗議デモが活発化する可能性があるとして、警戒感を強めている。ダーモット・シエイ(Dermot Shea)警察委員長は先月中旬、通達の中で今年の選挙は「近年で最も激戦となり、勝敗は数週間決定されない可能性が高い」と述べており、デモ活動は来年初頭まで継続すると予測。大統領選当日は、開票を妨害しようとする過激派が加わることも想定し、警戒を呼びかけた。

ニューヨークポスト紙によるとNYPDは、前回略奪の標的となったソーホーや、抗議デモ集会が頻繁に行われるワシントンスクエアパークや、ユニオンスクエア付近の店舗に対し、選挙前に追加の予防策を講じるようアドバイスを行っているという。

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ワシントンスクエアパーク付近の酒屋 mashupNY

4年前の大統領選では、トランプ氏の当選が確実となった日の翌日、5番街のトランプタワー前に、大量の抗議者が集まり、一時カオス状態となった。
59ストリート以下を管轄する「マンハッタンサウスパトロールボロー」は抗議者が殺到するのを防止するため予防策を講じると、事業所やレストランに書面で伝達したという。

▽5月末に発生したソーホーの略奪