ニューヨーク市のデブラシオ市長は2日、午後8時から翌日午前5時まで、外出禁止命令を出した。有効期間は日曜日までとなる。
今週日曜日にソーホーのブランド店で略奪行為が発生したことを受け、ニューヨーク州のクオモ知事とデブラシオ市長は昨日、夜間外出禁止命令を出した。
通常の2倍にあたる8,000人のニューヨーク市警察(NYPD)を配備し、警戒を強化したが、ミッドタウンとブロンクスの一部など広範なエリアで破壊や略奪行為が繰り返された。そのため、外出禁止時間は、午後11時から4時間前倒しされた。
ダーモット・シェイ警察委員長によると、月曜の夜中から翌日朝にかけて、抗議デモ開始以来最大となる約700人を拘束した。
警察関係者はニューヨークポスト紙に対し、一連の犯行は5つの行政区のギャングによるものだと話している。市外から来た者ではなく、何者であるか分かっていると語っている。
クオモ知事「NYPDと市長が任務を果たしていない」
クオモ知事は、略奪が始まった頃から各地方自治体に対し、13,000人の州兵を待機させていると公言してきた。一方で、デブラシオ市長は、事態に備えて訓練されていない州兵の派遣は、事態を悪化させると受け入れを拒否している。
クオモ氏は2日の会見で、多くの店舗が破壊や略奪被害にあったことから、「NYPDと市長は任務を十分に果たさなかった」と批判。国内最大の3万8,000人を抱えるNYPDは、対応が可能だと見解を示したが、事態を収めることができなければ、市長を交代させて州兵派遣も理論上は可能だと警告した。
店舗は板でバリケード
パンデミック後、窓ガラスにバリケードを設置していなかった店舗も、急ピッチで木板の設置作業を進めている。木板を設置している店頭でも、押し倒されて、窓ガラスが破壊されるなど、盗難被害に合う店は多い。
▼各店舗では、ガラス窓に板を設置する作業が深夜まで続けられている。
▼5番街にあるアップルストアの「キューブ」は2日、鉄柵や板で囲う作業が行われた。
▼ソーホーのUGGやドルチェ&ガッバーナなどでは、板が剥がされ、全ての商品が略奪された。
▼1日夜、ウィンドウが割られ、盗難被害に合ったマイクロソフト。ガラスの破片が落ちている。
▼サックス・フィフィス・アベニューは、木板の上にワイヤをかけ、警備員を雇うという。
▼トランプタワーのあるワンブロックは、バリケードが張り巡らされ、車両が通行禁止に。
▼メイシーズやユニオンスクエアのホールフーズなどは、ミネアポリスなどで略奪が発生していることを受け、31日に板を設置した。