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NY市長、ユダヤ教超正統派の集会を批判。コミュニティは反発。大規模な葬儀めぐり

ブルックリンで28日、ユダヤ教超正統派の指導者(ラビ)の葬儀に、数千人が集まったことを受け、ニューヨーク市のデブラシオ市長はツイッターで「警告の時は終わった」など厳しい言葉で非難した。

ラビは新型コロナウイルスにより死亡したという。NBCニュースの映像では、外出自粛や集会が禁じられているにも関わらず、大勢の人が道を埋めつくす様子のほか、警察官らが解散を呼びかける姿が映っている。
自身もその様子を確認したというデブラシオ市長は、ソーシャル・ディスタンスの規定に違反した場合、裁判所への出廷命令や逮捕につながる可能性があると警告した。

デブラシオ氏は一連のツイートで「ユダヤ人コミュニティおよびすべてのコミュニティの人々へ。警告の時期は終わった。ニューヨーク市警察に対し、大規模な集団は、すぐに召喚もしくは逮捕するよう指示した。これは病の蔓延を防ぎ、命を救うためだ。」と述べた。

コミュニティは反発

一方、市長の発言に対して、コミュニティからは大きな反発が起こった。同地区を代表するChaim Deutsch市議会議員は「一つのコミュニティを指摘するのは、馬鹿げている。どの地域にも従わない人はいる。民族全体を指して、全員が予防策を講じていないというのは、非常に不快だ。それはステレオタイプであり、反ユダヤ主義を招く」と批判した。
米国最大のユダヤ人団体、名誉毀損防止同盟(Anti-Defamation League)のトップ、ジョナサン・グリーンブラット(Jonathan Greenblatt)CEOは「ソーシャルディスタンスに従わない少数の人々だけが非難されるべきだ」として、ユダヤ人を一般化するのは不公平で、今求められている団結を損なうと非難した。

Orthodox Jewish Public Affairs Councilは、昼間行われた米軍による儀礼飛行でも、多くの人だかりができていたと指摘した。

市長は発言を謝罪

29日の会見でデブラシオ市長は、ツイッターでの発言に関して「目の前の人々が危険にさらされているのを見て、真の不安から容認できないと思った」と述べた。「伝え方が誤っていたのならば、謝罪する。そのような意図はなかった。怒りとフラストレーション、愛のムチから出た発言だった。」と弁明した。ユダヤ教だけを指摘したこと関しては「正直に話すと、他の場所では起こっていない。」と語っている。

また、「集会では誰かが病気になる。これは事実だ。誰かが他人に病気をうつすと、結果としてコミュニティの人が死ぬことになる。私にも超正統派ユダヤ教には多くの知り合いがいる。病気の拡散でコミュニティの人々が死ぬことは、許容できない。– 今は平時ではない。これらの類の集会は、いかなるコミュニティであっても許されない。われわれはこの現実を変えなければならない。」と語った。

ニューヨーク市警察のダーモット・シェイ警察委員長は、昨日の葬儀で命令に従わなかった12人に対し、召喚状を発行したと発表した。午後3時半頃、ラビの葬儀があることを知り、監視計画を立てたと述べた。集会には、警察官が追加で招集され、すぐに解散させたという。シェイ氏は、「多くの警察官が病気になり、何人かは命を失った。これらの集まりは警察官の命をも危険にさらす。昨日のような出来事は今後あってはならない。即時解散させるなど、厳しい結果をもたらすだろう。」と警告した。

ニューヨーク州では、新型コロナの拡散防止策として不要な集会はすべて禁止されている。ニューヨーク・タイムズによると、これまでソーシャル・ディスタンスの規定違反で11人が逮捕、134人に召喚状が発行された。これらには、ブルックリンの散髪屋で開催された60人の誕生日パーティや、マンハッタンでのマリファナパーティなどが含まれる。

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