NY州司法長官のトランプ企業捜査、裁判所はさらなる資料の引き渡しを命令

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ニューヨーク郡裁判所は29日、トランプ・オーガニゼーションの税務を担っていた法律事務所に対し、さらなる資料をニューヨーク州司法長官に引き渡すよう命じた。The Hillが報じた。

法律事務所「Morgan, Lewis & Bockius」が提出した資料を審査したアーサー・エンゴロン判事は、少なくとも一部の資料には、弁護士とクライアントの秘匿特権が適用されず、司法長官室に引き渡されるべきだと判断したと説明。事務所側が特権と主張するコミュニケーションの多くは、ビジネスタスクと意思決定に関するもので、リーガルアドバイスの要請や提供に関するものではないとした。

エンゴロン判事は先月15日にも、トランプオーガニゼーションがマンハッタン郊外に所有する地所「セブン・スプリングス」(Seven Springs)について、エンジニアによる資料を、レティシア・ジェームズ司法長官の要求に応じて、提出するよう命じていた。

ジェームズ司法長官は、トランプ氏の複数の物件について、ローンを保証するため、または経済的かつ税務上の利益を得る目的で、財務報告書で資産価格を釣り上げた値を報告するなどの不正行為がなかったか捜査を進めている。

トランプ・オーガニゼーションはセブン・スプリングスのゴルフコース開発を断念した後、2015年に約150エーカーの森林を保全することを約束。環境保全と引き換えに2,110万ドルの税控除を受けた。CNBCによると、トランプ氏はセブンス・スプリングスを1996年に750万ドルで購入したが、2012年の決算書で2億9,100万ドルと評価していたという。

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なお今月、マンハッタン地検の捜査も、セブン・スプリングスの取引にまで拡大したと報じられている。

ニューヨークタイムズによると、ジェームズ司法長官の捜査にはこのほかに、Fortress Credit Corporationが1億ドル以上の債務を免除したトランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー・シカゴの2010年の財務再編も含まれているという。