クオモNY州知事、支持率が引き続き低下。約半数は辞任求めず

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クオモ知事 ニューヨーク
lev radin / Shutterstock.com

老人ホームの死者数データの隠蔽疑惑や、セクハラの告発が相次いでいるニューヨーク州のクオモ知事に関して、州民の支持率が低下していることが分かった。

クイニピアック大学が先週発表した世論調査によると、クオモ氏の職務遂行能力に対する支持率は39%で、3月4日の調査から6ポイント低下。クオモ氏が2011年に州知事に就任して以来、同大学の調査で最も低い数字となった。不支持は約半数の48%だった。

クオモ氏を「好ましい」と回答したのは33%で、2週間前から11ポイント低下した。

一方で、49%がクオモ氏は「辞任すべきではない」と回答し、辞任すべき(43%)を上回った。民主党支持者の間では、67%が辞任すべきではないと回答している。

調査は3月16日と17日、ニューヨーク在住の有権者905人に対して、実施された。誤差率はプラスマイナス3.3パーセント。

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セクハラや老人ホーム対応

これまでに8人の女性が、クオモ氏からセクハラ行為を受けたと訴え出た。

有権者のうち約半数(50%)が、告発は「ほぼ真実だと思う」と回答した。26%は「真実ではないと思う」、24%は「分からない」または無回答だった。

セクハラの告発に対して、連邦議会の民主党上院トップのチャック・シューマー議員やカーステン・ギリブランド上院議員、下院司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員のほか、デブラシオ市長らが辞任を要求している。州議会では、約60人の民主党議員がクオモ氏の辞任を求める声明を発表した。

調査では、有権者の4分の3(74%)は、「辞任すべきかどうかに関して、ニューヨーク州司法長官による独立調査が完了するのを待つと主張する議員に、より同意する」と回答した。22%は「即時辞任を求める議員に、より同意する」と回答した。

州議会下院は11日、クオモ氏に対する司法委員会の弾劾調査の開始を許可した。
なお今回の世論調査では、過半数の54%が、クオモ氏を弾劾し、罷免するべきできではないと回答している。

10人中6人(58%)が、クオモ氏は正直ではないかつ、信頼できないと回答した。61%は、強いリーダーシップの素質があると回答したが、クオモ氏の在任中、最も低い数字となった。

一方で、有権者の3分の2(66%)は、来年行われる4期目の州知事選に立候補すべきでないと回答している。

老人ホームの死者数の隠蔽疑惑に関して、10人中6人(約58%)が、「意図的に死者数を隠そうとしたと思う」と回答した。30%は「そう思わない」、12%は無回答だった。

なおクオモ氏の新型コロナウイルスの対応に関しては、54%が支持、41%が不支持だった。

このほか、4分の3の有権者が、ワクチンの予防接種を受けた(38%)、または受けるつもり(36%)だと回答した。
また嗜好用マリファナの合法化に関して、64%が少量のマリファナの合法的な所持を許可することを支持するとしている。
高額所得者への課税について、59%が支持すると回答した。