NY市新型コロナ死者数、未検査の自宅死亡を含めず。実数はるかに多い可能性

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新型コロナウイルス(COVID-19)の症状により自宅で死亡した人が、死者数に含まれていない可能性が報じられた件に関し、ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は7日の会見で、「検査や治療を受けず、最近自宅で死亡した人の多くは、COVID-19に関連するものだと推定している。」と語った。

ニューヨークデイリーニュースによると、デブラシオ市長は「危機の中、全てのリソースが減少しており、確認作業が難しくなっていることは理解できる。」と述べ、「われわれは次の命を救うことに焦点を当てている。」と語った。最終的には、自宅で死亡した人も含めた被害状況を発表するとしている。

自宅での死亡者は1日あたり200人

市検視局(OCME)の広報担当者、アジャ・ワージー・ディビス(Aja Worthy-Davis)氏はGothamist/WNYCに対し、ニューヨーク市内の自宅での死亡者数が、新型コロナの感染拡大前は20から25人だったところ、現在約200人に増加していると明らかにした。
ワージー・ディビス氏によると、死亡前に検査を行った患者は、新型コロナによる死亡として報告されるが、入院せず死亡した人は、一般的に検査プロトコルから除外される。

現在ニューヨーク市では、病床数に限りがあるため、感染した場合でも重症でない限り、自宅での療養を求められる場合が多い。

OCMEは、疑いのある症例に関しては、新型コロナの「可能性がある」として全て保健局に報告を行っている。しかし保健局は、検査で陽性が確認されない限り、死者数には含めていないという。

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EMSを運営するニューヨーク消防局(FDNY)によると、3月20日から4月5日の間に対応した、自宅での死亡者件数は2,192件で、昨年同時期からほぼ400%増加したという。
自宅での死亡は、3月30日から急増しており、5日には241人が死亡した。一方で、翌日保健局が発表した過去24時間の新型コロナの死亡者数は266人だった。自宅での死亡者が含まれていない場合、実際の新型コロナによる死者数は、はるかに多い可能性がある。

ニューヨーク市議会衛生委員会のマーク・レヴィン(Mark Levine)議長は6日、「市が実際の死亡者数より少なく集計していることは、疑いの余地がない。」と一連のツイッターで主張。さらに、死体安置所や葬儀場などの施設が不足しているとして、遺体を市の公園に一時的に埋葬する計画を訴えていた。

ニューヨーク市の7日午前時点での新型コロナウイルスによる死者数は2,475人となり、過去24時間で29.4%増加。2001年の米同時多発テロ事件の死亡者数を超えた。