トランプ氏の再出馬ない「転落しすぎた」ニッキー・ヘイリー元国連大使

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ニッキー・ヘイリー元国連大使は、ポリティコのインタビューで、トランプ氏に失望させられたと批判。トランプ氏が4年後の再選に向けて出馬するのは不可能との見方を示した。

ヘイリー氏はトランプ政権で約2年にわたって国連大使を務めた。トランプ氏と親しく、これまで、トランプ氏は友人だと語っている。インタビューをしたアルベルタ記者は、ヘイリー氏自身と数十人の関係者に取材した結果、ヘイリー氏はほぼ確実に2024年大統領選に出馬するだろうと述べている。

ヘイリー氏はすでに、共和党の戦略担当トップからの支援を確保しているといい、非営利団体を使って各地に出かけて資金集めをしている。さらに最近、新たな政治活動委員会を設立し、これらの活動に拍車をかけている。

インタビューは下院で弾劾決議案が通過する前日の1月12日に行われた。

ヘイリー氏は議事堂襲撃事件の当日、トランプ氏が集会でペンス氏に怒りをぶつけるのをテレビで見て「非常に腹が立った。テレビを消さなくてはならなかった」と述べ、「怒るというのは、控えめな表現だ」と心境を振り返った。ペンス氏の「忠誠と友情」に反するトランプ氏の行いに嫌悪感を覚えたと話した。

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弾劾裁判は「時間の無駄」と述べつつ、トランプ氏が政治的に生き残る力はないと語った。

弾劾がなくとも「彼は連邦政府の職に出馬することはない」と再び出馬する可能性を否定。さらに共和党が今後4年で回復する計画にトランプ氏は関わらないだろうと述べ、「彼ができるとは思わない。彼は転落しすぎた」と語った。

また「われわれは彼に失望させられたことを認識しなければならない」と批判。「彼は行くべきではない道を進んだ。われわれは付いて行くべきではなかった。耳を傾けてはならなかった。これを繰り返してはならない」と語った。

一方、自身がトランプ政権にいた当時は「危険だと思わなかった。彼について恐怖を感じるものはなかった」と述べた上で、「彼は国を気にかけていた。いまだにこれは支持している。4年間戦いつづけた政策や事柄について謝るべきではない」と主張。「選挙後に彼に起きたことに、深く当惑している」「私がともに働いた人物は、選挙後に見た人物ではない」と語った。

大統領候補として問題を見通す能力について問われると、州議会議員から州知事、国連大使時代に発揮したリーダーシップは傑出していると主張。「私は謝ることはない」と苛立ちを示したという。

ヘイリー氏は12月に行われたインタビューで、トランプ氏が主張する選挙不正を否定しつつも、トランプ氏と会話をした際に、説得しなかったと話していた。「私は大統領を理解している。大統領は、純粋に心の底から不当に扱われたと信じている」と述べ、不正説は「彼はでっちあげたのではない」と擁護。不正を唱え続けることの危険性を問われると、「彼は信じているから」とトランプ氏を正当化した。

ヘイリー氏はまた、トランプ氏の支持が根強いことを認めつつ、共和党は、トランプ以前に戻る必要はないと主張。「彼が築いたものを受け継ぎ、悪いものを捨てなければならない」と述べ、「価値のある、有効な党になれる地点に戻らなければならない」と語った。