ラ・ラ・ランドのデイミアン・チャゼル監督 Netflixでドラマデビュー

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米動画配信サービス大手Netflix(ネットフリックス)は、『ラ・ラ・ランド』(La La Land)のデイミアン・チャゼル(Damien Chazelle)が初の監督を務める新作ドラマ「ザ・エディ」(The Eddy)をリリースすると発表した。

デイミアン・チャゼルは、昨年のアカデミー賞にて、史上最年少で監督賞を受賞。今回ネットフリックスと初めてコラボレーションし、ドラマ作品の監督デビューを果たす。

「ザ・エディ」は、混沌としたパリのナイトクラブを舞台に、オーナーやバンドメンバーなどの人間模様を描く作品となる。チャゼル氏は、エグゼクティブ・プロデューサーを担当し、全8話中、2話を監督する。
脚本は、舞台版『ハリー・ポッターと呪いの子』を担当するなど、英国アカデミー賞テレビ部門で5回の受賞歴を持つジャック・ソーン(Jack Thorne)氏が手がけるほか、アカデミー脚本賞を受賞した『アメリカン・ビューティー』で知られるアラン・ボール(Alan Ball)氏もエグゼクティブプロデューサーとして参加する。
音楽は、アラニス・モリセットの「Jagged Little Pill」やマイケル・ジャクソンの「Bad」など、6回のグラミー賞受賞歴を持つグレン・バラード(Glen Ballard)氏が担当する。

ドラマはパリで撮影される。作品にはフランス語や英語、アラビア語の会話が含まれるという。リリース日とキャスト等はまだ決定していない。

チャゼル氏は、「パリで撮影するのは、かねてからの夢だった。ジャックやグレン、アランとチームを組めるのは、すごくエキサイティングだし、ネットフリックスで実現できたことにも感激しているよ」と声明で語った。

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米ヴァラエティ誌によると、ネットフリックスは、ヨーロッパでの展開をスタートして以来、オリジナルプログラムやラインセンス作品、共同制作などを含め、既に20億ドル(約2200億円)の投資を行っているという。

同社のエリック・バーマック(Erik Barmack)副社長によると、今後7〜8作品のヨーロッパ・オリジナル・シリーズを発表するとしている。2〜3作品はフランス、2作品はイタリア、1作品は北欧とポートランドでの製作を予定している。

また、現在開催中のベネチア映画祭では、ロバート・レッドフォード(Robert Redford)とジェーン・フォンダ(Jane Fonda)の共演で話題を呼んだ「アワー・ソウル・アット・ナイト」 (Our Souls at Night)や、イタリアで初めて製作した、犯罪ドラマシリーズ「Suburra」、ジョン・アルパート監督の「Wormwood」をネットフリックスが製作を行っている。

一方で、カンヌ国際映画祭は、ネットフリックスで製作された作品を、映画館で上映されないという理由から、来年のパルムドール選考作品より除外する決定を行い、論議を呼んでいる。

ネットフリックスは、コーエン兄弟やマーティン・スコセッシ、エイヴァ・デュヴァーネイなど著名監督によるコンテンツ制作を急速に推し進めている。ミュージカル作品に関しては、制作費1億2千万ドル(約132億円)とも言われる、バズ・ラーマン監督によるヒップホップ誕生を描いた作品「ゲット・ダウン」(The Get Down)が1シーズンで打ち切りとなっている。