カーレースのナスカー(NASCAR)は10日、今後全てのイベントで、南北戦争で南軍が用いた連合国旗の使用を禁じると発表した。
同国旗は、南軍が奴隷制存続を支持して戦ったことから、現在は人種差別や白人至上主義とみなされる場合が多い。
ミネアポリスの黒人男性、ジョージ・フロイドさん死亡事件をきっかけに、警察官の残忍な暴力行為や人種的不平等に対する大規模な抗議デモが全米で行われた。この中で、連合国旗の掲揚を禁じたり、司令官の銅像を撤去したりする動きが広まっている。
ナスカーは声明で「イベントにおける連合国旗は、全てのファンや競争相手、業界に対し、歓迎の意かつ包括的環境を提供するという、われわれのコミットメントに反する。」と禁止理由を述べた。「レースを愛する人々とコミュニティを結びつけることが、わたしたちのファンとスポーツを特別なものにする。連合国旗の掲揚は、全てのナスカーのイベントおよび施設から禁じる。」と発表した。
The Hillによると、ナスカーの45年以上の歴史の中で、黒人として初めてのフルタイムドライバー、ダレル・ウォレス・ジュニア(Darrell Bubba Wallace Jr.)氏は、連合国旗をレース場で禁じるよう求めていた。
海軍も連合国旗を禁止
海軍作戦部長のマイク・ギルデイ(Mike Gilday)大将は9日、「スタッフに対し、南部連合の戦旗を全ての公共スペースや作業場、海軍施設や船、航空機、潜水艦から禁じるよう命じた」と発表した。命令に関して、「部隊の結束を約束し、秩序と規律を守り、海軍の基本的価値観である名誉や勇敢、責任を守るためだ。」と加えた。
国防総省は、南軍の指導者の名前にちなんだ陸軍基地の名称変更にオープンな姿勢を示している。
これに対して、トランプ大統領は「考慮しない」と一連のツイッターで表明。基地は米国の歴史の一部であり、「改ざん」されるべきではないと述べた。
ナンシー・ペロシ下院議長は11日、ワシントンD.C.の国会議事堂に設置された南軍の高官や兵士、11体の彫像を撤去するよう求めた。
バージニア州のラルフ・ノーサム(Ralph Northam)知事は、リッチモンドにある南軍の司令官、リー将軍の銅像を撤去すると発表したが、裁判所が一時差し止めを命じた。