ファシズムやめろ 左派議員とイーロン・マスクがつばぜり合い

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ツイッターが複数のジャーナリストのアカウントを停止した問題に、民主党急進左派の若手アレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員が参戦。イーロン・マスク氏の判断を「プロトファシズム」と呼ぶなど、批判を展開した。

マスク氏は15日、人の現在位置を公表することを禁止するツイッターの新たな規則に違反したとして、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNNなどでマスク氏を担当する記者のアカウントを停止。「彼らは私の現在位置情報を投稿した。基本的にこれは暗殺をコーディネートするもので、ツイッター規約に対する(明らかで)直接的な違反だ」と主張し、「Doxxing(他人の現在位置を追及し公開する行為)を行ったアカウントは7日間停止される」とした。

「終日私を批判し続けるのは全く構わない。だが私の現在位置をdoxxingしたり、私の家族を危険に晒したりするのはだめだ」とも加えた。

停止された記者のアカウントは結局、マスク氏自らユーザーに意見を募った結果を反映する形で翌日に再開されたが、報道への抑圧行為だとするマスク氏への批判が殺到し、マスク氏は一時、音声会議機能「ツイッタースペース」でユーザーとの直接会議の場を設けるなど対応に追われた。

そうした中、民主党急進左派の若手、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(ニューヨーク州選出・33)が騒動に言及。マスク氏に対して「あなたは公人で、極めて賛否のわかれる、パワフルな存在だ。安心できないのは私も分かる」と立場に理解を示しつつ、「権力を乱用して、常軌を逸した記者バンをするようになるなら、周囲との摩擦を増すだけだ」と指摘。「一息ついて、プロトファシズムをやめなさい。携帯電話を置いてみたら」と投稿した。

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コルテス議員はこれに続ける形で「現実に危険な陰謀にさらされる人間として、私も理解できる。警備員がいないとき、何度も恐ろしい出来事に巻き込まれた」とした上で、「実際のところ、あなたが持ち上げている右派メディアの多くは、私の家や車などの写真を公表した。いずれあなたも関係を断つべき」と説いた。

これに対してマスク氏はリプライで、「君こそね 笑」と、短く切り返した。

アカウントを停止されたのは、CNNのドニー・オサリバン記者、ニューヨーク・タイムズのIT専門記者、ライアン・マック氏、ワシントン・ポストのドリュー・ハーウェル記者、インターセプトのミカ・リー記者、マッシャブルのライター、マット・ビンダ—氏、MSNBCの元司会者、のキース・オルバーマン氏、Voxの元記者、アーロン・ルーパー氏など。

民主社会主義者を自認するコルテス議員と、実業家で世界一の億万長者マスク氏のバトルは初めてではない。今年4月、マスク氏がツイッターの買収に乗り出した際、コルテス議員は「エゴの問題を抱えた億万長者が、巨大なコミュニケーションプラットフォームを一方的に支配し、歪めようとしている」と主張すると、マスク氏は「攻撃をやめてくれ。本当は内気なんだ」と返答した。

買収完了後、認証バッジを有料プラン「ツイッターブルー」に含め、8ドルで提供するとした際、コルテス議員は「大爆笑。億万長者が、言論の自由だといって人々に売ろうとしているのは、実は8ドルのサブスクプランだった」と攻撃。これにマスク氏は「フィードバックに感謝します。今すぐ8ドルを支払ってください」とリプライした。