【米中間選挙2018】米国の歴史を作った注目の当選者たち

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6日に投開票を実施した米中間選挙では、民主党が下院全435席中の過半数を獲得し、8年ぶりに多数派となることが確実となった。一方、上院では全100議席のうちの3分の1と補選の35議席が争われ、現時点で共和党が過半数を獲得し、多数派を維持することが明らかとなった。

今回の選挙では、史上最多数の女性候補者が出馬し、これまでの84人を上回る90人以上の女性下院議員が当選している。上院選では12人の女性議員が、知事選では8人の女性知事が誕生した。さらに、ムスリムやヒスパニック系、先住民の女性、LGBTQなどのマイノリティーが当選を果たし話題となった。

ラシダ・トリーブ、イルハン・オマール 初のムスリム女性議員

民主党から2人のイスラム教徒の女性議員が初当選した。ミシガン州13区のラシダ・トリーブ(Rashida Tlaib)氏は、初のパレスチナ系アメリカ人議員。また、ミネソタ州5区のイルハン・オマール(Ilhan Omar)氏は、元難民で、ソマリ系アメリカ人として当選を果たした。

ジャレッド・ポリス 初の同性愛者公言の男性知事

コロラド州知事選のジャレッド・ポリス(Jared Polis)氏(民主)は、同性愛者を公言し、初めて知事選に勝利した人物となった。
CBSニュースによると、LGBTの政治家としては、ケイト・ブラウン(Kate Brown)オレゴン州知事が、バイセクシャルを公表し当選している。また、ニュージャージー州のジム・マグリーベイ(Jim McGreevey)元州知事は、2004年の辞任後に同性愛者を公表している。

デブ・ハーランド、シャリス・デービッズ 初の先住民女性下院議員

ニューメキシコ州1区のデブ・ハーランド(Deb Haaland)氏(民主)と、カンザス州3区のシャリス・デービッズ(Sharice Davids)氏は、初の先住民女性下院議員として当選を果たした。デービズ氏は、同性愛者を公言する初のカンザス州出身の下院議員となる。

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マーシャ・ブラックバーン テネシー州初の女性上院議員

テネシー州上院選に出馬したマーシャ・ブラックバーン(Marsha Blackburn)氏(共和)は、民主党のフィル・ブレ-デセン(Phil Bredesen)元知事を破り、同州初の女性上院議員となった。同地区はテネシー育ちの歌手、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)が民主党議員を支持を表明し、大きな話題となっていた。ブラックバーン氏は、55%の票を獲得している。

ジャネット・ミルズ メイン州初の女性知事

メイン州知事選に立候補した元司法長官のジャネット・ミルズ(Janet Mills)氏(民主)は、8年近く知事を務めた共和党のポール・ルページ(Paul LePage)州知事を破り、同州初の女性知事となった。

アヤナ・プレスリー マサチューセッツ州初の黒人下院議員

ボストン市初の黒人市議会議員となったアヤナ・プレスリー(Ayanna Pressley)氏は、10期務めたマイケル・カプアノ(Michael Capuano)議員を予備選で破った。共和党の対立候補がいなかったため、不戦勝で当選し、マサチューセッツ州初の黒人下院議員が誕生した。

アレクサンドリア・オカシオ・コルテス 史上最年少の下院女性議員

ニューヨーク14区のアレクサンドリア・オカシオ・コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)氏(29)は、予備選で10期務めたベテラン議員のジョー・クローリー(Joe Crowley)氏に勝利し、全米にその名を知らしめた。
中間選挙では78%の票を獲得し、共和党候補のアンソニー・パパス(Anthony Pappas)氏を破り、初当選を果たした。社会民主主義を訴えるコルテス氏は、最年少女性下院議員としてワシントン入りする。

アビー・フィンケナウアー アイオワ州初の女性下院委員

2期アイオワ州議員を務めたアビー・フィンケナウアー(Abby Finkenauer)氏(民主)は、共和党のロッド・ブルム(Rod Blum)氏を破り、同州初の女性下院議員となった。フィンケナウアー氏は、12月に30歳となり、コルテス氏よりも1歳年上となるが、最も若い議員の一人となる。

レティーシャ・ジェームス 黒人初の司法長官

ニューヨーク州では、民主党のレティーシャ・ジェームス(Letitia Tish James)現ニューヨーク市政監督官が、キース・ウォフォード氏(共和党)を下し、黒人として初めての司法長官の座を確実にした。
ニューヨーク州では、エリック・シュナイダーマン元司法長官が性的暴行疑惑で5月に辞任した後、バーバラ・アンダーウッド氏(Barbara Underwood)がニューヨーク州としては初の女性司法長官を務めていたが、同氏は出馬をしなかった。
ジェームズ氏は、トランプ氏の慈善財団や、政権の移民政策や環境政策に対するニューヨーク州による提訴事案を継続し、政権と引き続き対決していくことを表明している。