韓国テレビ局 アカデミー賞ミシェル・ヨーのスピーチの一部をカット、女性差別と非難

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アカデミー賞でアジア人初の主演女優賞を受賞したミシェル・ヨー(60)の受賞スピーチに関して、韓国のテレビ局が一部をカットしたことから、女性差別と非難の声が上がった。

映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」で主演を務めたヨーは、「私に似た小さな男の子と女の子にとって、希望と可能性の光だ。大きな夢は、まさに叶うという証拠。女性のみなさん、誰かにあなたは全盛期を過ぎたなんて言わせないで。決してあきらめちゃだめよ」と呼びかけ、アジア人や女性を鼓舞した。

米誌TIMEによると、放送局SBSは、「女性たち」の単語の通訳と字幕を省いたことから、同局のウェブサイトには、「女性嫌悪」や「検閲」だといった非難や、幹部に謝罪を求めるコメントが殺到している。

こららの非難を受け、SBSは当初の動画を削除した上、修正したものを掲載。声明で「演説を歪曲するつもりはなかった」と釈明した。

また「女性」という言葉を削除した理由について、同局はNoCutNewsの取材に、メッセージは「必ずしも女性だけに当てはまるわけではないと考えた」と語っている。

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なおTIMEは、ユン・ソクヨル大統領は昨年、男女共同局を廃止する計画だと発言したほか、大統領選では、「反フェミニズム」が当選への道を開くのに寄与したと指摘。世界経済フォーラムが毎年発表する「ジェンダー・ギャップ指数」で、韓国は146カ国中99位にランク付けされていると伝えている。

スピーチは性差別発言に言及した可能性

ヨーが演説で言及した「全盛期」について、ネットで、CNNの番組司会者の性差別的なコメントへの反発と指摘する声が上がっている。

CNNのキャスター、ドン・レモン(56)は先月、自身が司会を務める番組で、大統領選に出馬を表明したニッキー・ヘイリー元国連大使(51)に対し、「全盛期ではない」「女性は20代から30代、おそらく40代が全盛期だとみなされている」などと発言。女性への年齢差別だとして、社内外から非難を浴びていた。