ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)は31日、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ヴェルディのオペラ「ドン・カルロ」の開幕に先立ち、METコーラスがウクライナ国歌を斉唱し、連帯を表明した。
The Met Chorus singing the Ukrainian national anthem before tonight’s opening of Don Carlos at the Met Opera, a day after the Opera announced it’s cutting ties with Pro-Putin artists @NY1 pic.twitter.com/EWkoviUF6p
— Stef Manisero (@StefManisero) March 1, 2022
国歌斉唱は、METのピーター・ガルブ総支配人が提案した。ウクライナ出身の団員Vlad Buialskiyさん(24)の指導の元、午前中にリハーサルを行ったという。Buialskiyさんは、NBCニューヨークに、家族や友人がウクライナに残っていると説明し「できる限り祖国と家族を助けたい」と語った。
プーチン支持者と関係停止
ガルブ氏は先月27日、ロシアのプーチン大統領を支援する、または支援を受けているアーティストや芸術機関との関係を停止すると発表。両国の紛争が解決するまで、活動を禁じるとした。「複数の著名な歌手に影響を及ぼす可能性があるが、われわれのリソースは豊富で、問題はないだろう」と語った。
具体的な機関やアーティストは、明らかにしていない。ただし、NPRによると、プーチン氏と親交の厚いマリインスキー劇場の芸術総監督で首席指揮者のワレリー・ゲルギエフ氏や、ソプラノ歌手のアンナ・ネトレプコ氏の名を挙げている。ゲルギエフ氏は、METで首席ゲスト指揮者を勤めていた。
ニューヨークのカーネギーホールとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団も24日、出演を予定していたゲルギエフ氏を交代した。
フィルハーモニー・ド・パリも28日、4月に予定していたゲルギエフ氏のコンサートを中止すると発表している。1日には、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団が、首席指揮者のゲルギフ氏を解雇したと発表した。
24日に始まったロシア軍による侵攻は、5日目に入った。首都キエフや東部ハリコフなどの都市部を中心にロシア軍からの激しい攻撃が続いている。