トランプ氏、バイデン大統領つまづき報道に不満

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トランプ氏は22日、保守メディアのNewsmaxに電話出演し、バイデン大統領がエアフォースワンのタラップでつまづいたことに関する報道機関の扱い方について、不満を述べた。

トランプ氏は「あのずっこけ方は、ひどかった。実際は1回ではなく、3回だった。われわれが謂う所の”レイムストリームメディア(マスゴミ)”は、そのことに言及していない」と主張。「ひどいことだ。全てが信用できない。報道の自由などあったものではない」と不平を並べた。
さらにバイデン氏が過去にハリス副大統領のことを「大統領」と呼んだことに言及。「何かおかしなことが起こっている。クレイジーだ」と述べ、バイデン氏は自身が署名している書類の内容さえも理解していないのではないかと語った。

バイデン氏は19日、連続銃撃事件が起きたアトランタを訪問するため、ワシントン近郊のアンドルーズ基地から大統領専用機エアフォースワンに乗り込んだ。カメラが見守るなか、タラップで3回つまずく姿が報じられた。ホワイトハウスの報道官は、「非常に強い風」だったと説明し、アトランタ到着時にバイデン氏は「問題なく専用機を降りた」と無事を強調した。

エミー賞受賞歴のあるジャーナリスト、バーナード・ゴールドバーグ(Bernard Goldberg)氏はThe Hillに寄せた論説で、今回のバイデン氏とトランプ氏の報道を比較した。

デイリーメールによると、19日午後の時点で米メディア大手のMSNBC、CBSニュース、ワシントンポスト、ロサンゼルスタイムズ、ニューヨークタイムズの大手リベラルメディアはいずれも、同件をオンライン版で速報していなかったと伝えている。

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メディア監視団体などによると、バイデン氏のつまずきに関する報道に割かれた時間は、CNNで15秒、MSNBCで1分だった。NBCアンカーのチャック・トッド氏はMSNBCで「階段を駆け上がってつまずいた経験は誰にでもある。なければ人間じゃない」とフォローした。

トランプ氏は昨年6月、ウエストポイントの陸軍士官学校の卒業式で演説した際、慎重に小股で歩く様子がメディアで取り上げられ、健康不安説まで飛び交った。

メディアリサーチセンターによると、当時CNNは22分13秒、MSNBCは28分42秒に渡り、このニュースを報じたという。

CNNアンカーのアリシン・キャメロタ氏は、サンジェイ・グプタ医師とともに神経系に問題がある可能性があると指摘した。またアンカーのジョン・キング氏は、トランプ氏は「小刻みに震えて見えた」とコメント。
政治コメンテーターのクリス・シリザ氏は「トランプ氏のおぼつかない足取りと、腕の振り方に健康不安説が浮上」と書かれたスクリーンの前で、高齢を指摘しつつ「われわれは彼の病歴をほとんど知らない」と語った。

ニューヨークタイムズは、「足取りを巡り、新たな健康不安浮上」という見出しで、トランプ氏について高齢を懸念する記事を掲載した。一方、今回のバイデン氏に関しては「タラップでつまずくも”100パーセント問題なし”」と報道官の説明を引用した

ゴールドバーグ氏は、当時のトランプ氏に対する報道は「心身の健康問題を含め、大統領としての資質を疑問視する絶好の機会と捉えたもの」で、メディアの偏向だと指摘している。
さらに、CBSニュースの元記者ロジャー・マッド氏の言葉を引用し、ジャーナリストは「客観的なオブザーバー」であるとの考えを表明。バイアスのある記者らが、大衆に影響を与えようとしているのを心配していると語った。