トランプ前政権下で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたH.R. マクマスター氏が2日、CBSの報道番組「Face the Nation」に出演。核兵器の使用も辞さないと宣言したロシアのプーチン大統領に対し、ロシアにとって核兵器使用は自殺行為だと語った。

元陸軍中将でもあるマクマスター氏は番組で司会のマーガレット・ブレナン氏に対し、西側諸国はプーチン氏の脅しに乗らず平静を保つべきだと述べ、「プーチン氏へのメッセージとしては、核兵器を使えばそれは自殺兵器だということだ。NATOや米国の対応が核である必要はない」とした。

攻勢を強めたウクライナ軍は先月、東部のハルキウ州やルハンスク州などからロシア軍を撤退に追い込んだ。これを受けプーチン氏は核兵器による攻撃も辞さない構えを示し「ハッタリではない」と警告。30日にはウクライナ東・南部4州を併合すると宣言した。核の脅威が一層高まる中、西側がいかに対応するかに、改めて注目が集まっている。

マクマスター氏はロシア軍が苦戦する中での“核使用”発言は、プーチン氏の最後の脅しだと推測。ロシアの核兵器使用の可能性について「深刻に受け止める必要がある」が、「ウクライナの人々を支援する意味でも、我々は脅しに屈してはならない」と強調した。

NATOのストルテンベルグ事務総長は、この裏番組、NBCの「Meet The Press」に出演し、核兵器の使用はロシアに「深刻な結果」をもたらすと警告した。

ストルテンベルグ氏は「プーチン大統領のレトリックは、危険で無謀だ」とした上で「プーチン大統領に、いかなる核兵器の使用もロシアに深刻な結果をもたらすことを明確にしてきたのはそのためだ。同時に、核戦争で勝利することはできず、決して戦ってはならないということもはっきりとさせている。これがNATOと同盟国が明確に伝えるメッセージだ」と語った。

abcニュースの「This Week」に出演したデイビッド・ペトレアス元CIA長官は、マクマスター氏と同様に「核の脅しは深刻に受け止めなければならない」と強調。核が使用された場合、仮説としつつ「われわれ(米国)は、NATO を率いて対応し、ウクライナの戦場で特定できるすべてのロシアの通常戦力を取り除く。クリミアと黒海のすべての船もだ」と、米国がウクライナ国内およびロシアに編入された地域にあるロシア軍を攻撃する可能性を語った。また放射能がNATO加盟国に及んだ場合、NATOの集団安全保障を定めた第5条の適用可能性について、「おそらく主張することができるだろう」と解釈を示した。

ウクライナ侵攻が劣勢に転じ、プーチン氏は兵力増強のため30万人の予備役を動員するとしたが、ロシアでは招集に反発する大規模な抗議行動が起き、数万人規模の市民らが招集を逃れようと国外への脱出を図る事態となっている。

この状況について先述のマクマスター氏は、プーチン氏は「極度のプレッシャー」の中にいると指摘。「我々の目の前にあるのは、ウクライナの前線にいるロシア軍の急激な崩壊、道徳的に崩壊している状況だ。すでに限界寸前にある」とし、戦地における犠牲者数や、戦闘訓練を受けていない人々を招集し前線に送ろうとする現状がそれを物語っている、と語った。