今年2本目「バビロン」不発で人気女優がピンチ

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ブラッド・ピッドやマーゴット・ロビーなどトップスターを起用した映画「バビロン」(Babylon)が23日より米国で公開された。「ラ・ラ・ランド」でアカデミー作品賞を受賞したデイミアン・チャゼルが監督を務めたが、週末の推定興行収入はわずか350万ドル(約4.6億円)で初登場4位に終わった。米メディアからは、ハリウッドで最もギャラの高い女優となったマーゴットに対し、今後の出演作の行方を心配する声も上がっている。

マーゴットは、10月に公開されたデヴィッド・O・ラッセル監督作品「アムステルダム」でも主演の1人として名を連ねていたが、同作品も振るわず、最終的な損失は8,000万ドルから1億ドルに達する可能性があるという。11月には、主演が決定していたディズニーの「パイレーツ・オブ・カリビアン」のスピンオフ企画が中止になったと自ら発表した。また、昨年公開された「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」の推定損失額は、1億2000万ドルとも報じられている

来年以降もライアン・ゴスリングと共演した実写版「バービー」や、ウェス・アンダーソン監督の「Asteroid City」など、注目作品が目白押しとなっている。ただし、芸能サイトTMZは、これらの”唯一の(潜在的)な問題”は「超山積みの俳優たち」と指摘するなど、オールスターキャスト作品の成功を疑問視する声も上がっている。

製作費は100億円

「バビロン」は、1920年代後半のサイレント映画からトーキーへと移行する時代の堕落したハリウッドを舞台に、サイレント時代に活躍した二枚目俳優ジャック(ブラッド・ピット)と、若手女優ネリー(マーゴット)、ジャックに雇われた新人アシスタントのマニー(ディエゴ・カルバ)らの盛衰を描く。

マーゴットらのほかに、トビー・マグワイアやオリビア・ワイルド、クロエ・ファインマン、エリック・ロバーツ、マックス・ミンゲラなどの豪華キャストが出演している。

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製作費は8,000万ドル(100億円)とも伝えられている。口コミサイトRotten Tomatoesでの批評家のスコアは56%、初日の観客の出口調査「シネマスコア」の評価はC+だった。

ニューヨークタイムズの批評家マノーラ・ダルギス氏は「サイレント時代を偉大なものとして定義付けているのは、その芸術性だということに、監督は不可解なほど無関心」とネガティブな評価を下した。ウェブメディアSFGATEのダン・ジェンティーレ氏は「ここ数年間観た中で最悪の映画」と酷評。雑誌に挟まっている香水の広告のように「感覚過負荷」と述べた。

辛口批評がある一方で、ゴールデン・グローブ賞では、ミュージカル・コメディ部門で作品賞や主演女優賞、主演男優賞、助演男優賞、作曲賞にノミネートを果たしている。アナリストのポール・デルガラベディアン氏は、バビロンは、公開週末の興行成績とは必ずしも結びつかない作品だと見解を述べ、賞レースでの話題が増加することで、数字が上向く可能性もあると指摘している。