24日、銃の規制強化と銃暴力への反対を訴えるデモ行進「March for Our Lives」が、首都ワシントンD.C.ほか、ボストン、ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ロサンゼルスなどの全米と、海外を含む800以上の都市で実施された。
デモは、2月14日フロリダ州パークランドで起きた銃乱射事件の舞台となったマージョリー・ストーンマン・ダグラス(Marjory Stoneman Douglas)高校の生徒らが中心となり計画された。ラスベガスやパークランドの銃乱射事件で使用された殺傷能力の高い銃器(assault weapons)や多数の弾丸が入る弾倉(high-capacity magazines)の販売禁止、銃を購入する際のバックグラウンドチェックの強化を訴えている。
ニューヨークのデモ行進
ニューヨークでは、午前11時より集会がスタートし、セントラルパーク西から、ミッドタウンまでデモ行進が行われた。民主党のチャック・シューマー(Chuck Schumer)上院院内総務や、ニューヨークのアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事、ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長、先日州知事選に立候補したシンシア・ニクソン(Cynthia Nixon)氏もデモに参加した。市長の発表によると、約17万5千人が行進に参加した。
Today is the day we unite to say the NRA is not going to win.#MarchForOurLives pic.twitter.com/NkmGEMsVqv
— Andrew Cuomo (@NYGovCuomo) March 24, 2018
You have to know when a revolution is starting… Today in NYC already 150,000 have taken to the streets for PEACE pic.twitter.com/j5y0y0L3IT
— Bill de Blasio (@NYCMayor) March 24, 2018
Ran in to a group of fellow @BarnardCollege alumni today at the NY #MarchForOurLives. Incredibly moved at how many people came out today to stake a stand for our kids and demand action against gun violence. pic.twitter.com/EaYhfpLmbG
— Cynthia Nixon (@CynthiaNixon) March 24, 2018
ポール・マッカートニー氏も行進に加わった。親友であるジョン・レノンを銃暴力により失い、銃による暴力を終わらせたいと願い参加したとCNNに語った。
"One of my best friends was killed in gun violence right around here, so it's important to me." Former Beatle Paul McCartney attended the March for Our Lives in New York, near where his bandmate John Lennon was fatally shot more than 35 years ago. https://t.co/2P80H43DB9 pic.twitter.com/rHihL9oqan
— CNN (@CNN) March 25, 2018
デモ行進には、学生をはじめ、親子連れ、教師など幅広い年齢層が参加。殺傷能力の高い銃器などの販売禁止、教師の武装への反対、議会や全米ライフル協会(NRA)への抗議、選挙人名簿登録の呼びかけなどを行った。
マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の銃撃事件で亡くなった17名
ワシントンD.C.では80万人が参加
航空写真から群衆の人数を独自計算する会社、Digital Design & Imaging Service Inc (DDIS)によると、ワシントンD.C.でデモ行進「March for Our Lives 」に参加した人数は、約20万人とされている。
運営組織は、全体の参加人数は約80万人近くで、1日のデモの規模としては、米国史上最大の44万人を記録した(DDIS調べ)2017年のウーマンズマーチ(Women’s March)を上回ったとしている。
壇上では、今回のデモを主催した生徒らが中心となり、力強いスピーチを行った。
主催メンバーのひとり、エマ・ゴンザレス(Emma González)さんは、銃撃のあった6分間の間に、17人の命が失われ、15人が負傷、そしてダグラスコミュニティーにいるすべての人の人生を永久に変わってしまったと語り、犠牲者の名前を読み上げた後、涙を見せながら約4分間の沈黙を続けた。この間、「Never Again」や「エマ!」という掛け声が客席から届けられた。
6分20秒が過ぎた後、再びスピーチを始めたゴンザレスさんは、銃殺に及んだ犯人の行動を短く振り返った後、「自分自身の命のために戦おう。他の誰かにやってもらう前に。」と訴えた。
高校でゲイーストレイトアライアンス(Gay-Straight Alliance)の会長を務めるエマさんは、銃規制に対し何の手立ても講じない政治家らを「BS」(bullshit)と強く非難。自分たちが行動に移すべき時だとし、#NeverAgainムーブメントが立ち上げた。
学生ジャーナリストでもあるデイビッド・ホッグ(David Hogg)さんらは、11月に実施される中間選挙で、銃法改革を支持しない議員や、NRAによる金銭的な支援を受けている議員らを当選させないよう、働きかけを行っている。
バージニア州から参加した11歳のナオミ・ワドラー(Naomi Wadler)さんは、「銃乱射が起こっても、我々の話が新聞の一面に掲載されることはない。アフリカ系アメリカ人を代表し、ここにやってきたと。」と忘れられたアフリカ系アメリカ人の実情を語った。
マーティン・ルーサー・キング牧師の孫娘のヨランダ・リネー・キング(Yolanda Renee King)さんが、「私にも夢がある。銃のない世界の実現をしよう。」と呼び掛けた。キング牧師が銃で殺害されてから今年で50年目を迎える。
全米で開催されたデモの様子
Aerial footage shows the turnout at various March for Our Lives across the US today https://t.co/50KflY3S4X pic.twitter.com/MVxCufnaIQ
— CNN (@CNN) March 24, 2018