新型コロナウイルスに感染した男性が、病院で2カ月間の闘病生活を終え帰宅すると、家財道具一式が撤去されている出来事があった。
NBCニュースによると、マンハッタンのイーストヴィレッジに住むリョウ・ナガオカ(60)さんは、1月27日からコロナの治療で入院していた。先週水曜日にリハビリセンターから自宅に戻ると、鍵が取り替えられていたという。
管理人にドアを開けてもらい、中に入ると、ピアノ以外のすべてが撤去されていた。パスポートを含む全ての書類が破棄されており、どこへ持ち去られたか不明だという。不在中、日本語で「カメさん」と名付けられたペットのカメは管理人が世話しており、その後ナガオカさんの元に戻された。ナガオカさんは、インタビュアーに「悪夢かと思った」と語っている。
隣人の1人は、ナガオカさんの入院から3週間後、業者の人が部屋から物を持ち出すのを目撃していた。「丁寧に扱うというより、投げ捨てるようだった」と話したという。
部屋には新たな冷蔵庫とコンロが設置されていた。壁は塗り替えられ、天井に空いていた穴は修理されていた。シャワーの水は止めらていたが、月曜日に再び使用できるようになるという。
建物は、不動産業界の大物バーバラ・コーコラン氏と元大リーガーのアレックス・ロドリゲス氏らが所有しているという。
コーコラン氏は、リノベーションの理由について、部屋の状態がナガオカさんの健康を悪化させたことを考え、他の住民にも健康被害が及ぶのを防ぐつもりだったとの旨を語っている。
全てを失ったナガオカさんに、近隣住民が生活用品などを寄付したほか、GoFundMeのページを開設した。現在57,000ドル以上の寄付金が集まっており、コーコラン氏も12,000ドルを寄付している。
法律扶助協会のリーガルエイドソサエティーの弁護士は、大家が賃借人の了承を得ず、勝手に所有物を撤去したのは違法行為だとgothamistに語っている。