トランプ氏弾劾裁判 56%が有罪支持、世論調査

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9日から上院ではじまるトランプ前大統領に対する弾劾裁判を前に行われた世論調査では、過半数がトランプ氏を有罪にすべきと回答した。

調査は、ABCニュースと調査会社イプソスが、2月5日-6日に全国の成人506人に対して実施した。誤差幅は4.8%。

回答者の56%がトランプ氏を有罪にし、将来公職に就くのを禁じるべきと回答。43%が反対と答えた。

昨年1月、トランプ氏の一度目の弾劾審理の最中に実施した調査では、47%が罷免を支持し、49%が反対を選んだ。

支持政党別では、共和党支持者の15%が有罪評決を支持。前回の弾劾では9%だった。民主党支持者は92%が有罪すべきとした。無党派は54%が支持し、45%が反対した。

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弾劾裁判でトランプ氏が有罪となるには、上院議員の3分の2の同意が必要となる。民主党議員がすべて有罪票を投じるとした場合、17人の共和党議員の票が必要となる。しかし、すでに50人のうち45人の共和党議員が、過去の大統領に対する弾劾は違憲で、手続きを停止するべきだと態度を表明していることから、トランプ氏が有罪評決を受ける可能性は低い。

調査ではこのほか、主要政党のどちらに過激主義の議員が多いかについても回答を得た。

25%が共和党よりも民主党に多いと回答、反対は42%だった。32%はほぼ同数だと答えた。

支持政党別では、民主党支持者の10人に8人が共和党議員の方が過激主義者が多いと答え、13%が同数だと回答した。

共和党支持者では、民主党議員の方が多いと答えたのは57%で、33%が同数だとした。

下院では先週、昨年の選挙で初当選を果たしたマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(共和 ジョージア)について、当選前に扇動的な発言や陰謀論を拡散していたとして、2つの委員会から除名する処分を可決した。

グリーン議員は過去、Qアノン陰謀論を支持する態度を示していたほか、ナンシー・ペロシ下院議長を排除するために「銃を頭に突きつけるほうが早い」といったユーザーのコメントに「Like」をしていたことが判明。このほか、FBIエージェントの処刑を示唆する発言も支持していた。他のユーザーからオバマ元大統領とヒラリー・クリントン氏を「絞首刑にできるか」と聞かれると、「舞台は整っている」などと答えていた。

さらに、パークランド高校銃乱射事件のサバイバーで銃規制活動家のデイビッド・ホッグ(David Hogg)氏の後を追い、嫌がらせをする2年前の動画がSNSに再浮上した。

グリーン氏の処分に対して、共和党議員からは、2019年に反ユダヤ主義的な発言が問題視されたイルハン・オマール議員(民主 ミネソタ)や、昨年末、中国人スパイと疑われる女性との関係が明るみに出たエリック・スウォルウェル議員(民主 カリフォルニア)にも同様の処分をするべきとの声が上がった。

このほか、バイデン政権の新型コロナウイルスの対応については、69%支持すると回答した。バイデン氏が掲げる一律1,400ドルの現金給付などを盛り込んだ1.9兆ドルの経済対策案を、事実上民主党単独で可決させることについて、49%が賛成と回答した。一方、5人に2人が、規模を縮小した経済刺激策を、与野党で協力して進めるべきと回答した。