ウクライナへの支援打ち切り発言めぐり、米議員が舌戦

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マージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州・共和党)が、ウクライナ支援を巡り、リズ・チェイニー下院議員(ワイオミング州・共和党)とネットで舌戦を展開している。

発端は3日、アイオワ州で行われたトランプ氏の政治集会に参加したグリーン氏が、共和党が議会多数派になったらウクライナへの軍事支援を打ち切ると発言したこと。

共和党は来週の中間選挙で上下両院の多数派を奪還するべく団結をはかっているが、すでに総額200億ドル近くにのぼるウクライナへの軍事支援をめぐっては、紛争の長期化にともない一部から懐疑的な声が上がるなど、意見が分かれている。そうした中、グリーン氏は3日、アイオワ州で行われた政治集会で、「彼ら(民主党)が関心を寄せる国境はウクライナだけで、米国の南の国境には目を向けていない。自国ファーストであるべきだ」と主張。「共和党のもとでは、これ以上は一銭もウクライナには回らない」と明言した。

この発言に対し、チェイニー氏が反論。ツイッターで「まさにこれがプーチン氏の狙い。1980年代の共和党がこうだったら、我々は冷戦に負けていた」と批判した。

グリーン氏も黙ってはおらず、チェイニー氏に対し「過去に2つの問題があった。1、あなたとあなたの父親の共和党が、米国民の税金を使って外国の戦争にわれわれの軍隊を送った挙句、勝ちもしなかったこと。2,ユー」と反撃した。

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You and your Daddy’s Republican Party that sent our military to fight foreign wars on the backs of American tax dollars and didn’t win a damn thing.

「1」はチェイニー氏の父、ディック・チェイニー元副大統領はブッシュ政権下でイラク開戦を主導したことを批判したもの、「2」は一時共和党ナンバー3までのぼりつめたチェイニー氏が、今回の中間選挙予備選で敗北したことを指すと見られる。

チェイニー氏は2020年の大統領選後、トランプ氏との対立姿勢を明確にしてきたが、これが党内の反発を招き、指導的な立場を失うことにつながった。一方、極右とされるグリーン氏は、トランプ氏の支持を受けて予備選を順当に勝ち上がり、8日の本選でも勝利は確実とみられている。最近では、次期大統領選のトランプ氏のランニングメイトになる可能性をめぐり、トランプ氏本人と協議しているとも報じられた。

二人のやりとりはこれに終わらず、チェイニー氏はさらにリプライする形で「あなたに歴史を教えるわ、マージョリー。ロシアはかつてソビエト連邦の一部だった。ソビエト連邦は共産党政権。プーチンはKGB(旧ソ連国家保安委員会)の元諜報員。共産党&KGB=bad(最悪)」とレクチャー。続けて「アメリカは冷戦に勝った。それは自由の偉大な勝利を意味した。今、あなたはプーチンの味方をして自由とアメリカに反している」と、批判を続けた。