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NY地下鉄、14時間でホームレス4人を死傷。男を逮捕

ニューヨーク市地下鉄で、12日から13日未明の14時間のうちに、4人のホームレスが刃物で切りつけられ、2人が死亡、2人が負傷した。ニューヨーク市警察(NYPD)は3日、4人を死傷させた疑いで男を拘束した。

ニューヨークポスト紙によると、男はワシントンハイツで拘束された際、血が飛び散った靴を履き、血痕のついたナイフを所持していたという。

最初の被害者は67歳の男性で、12日午前11時30分ごろ、アッパーマンハッタンにあるAトレインの181ストリート/フォートワシントンアベニュー駅のプラットフォームで、歩行器を押していた際、ナイフで襲われた。ニューヨークデイリーニュースによると、男は「お前を殺す」と言いながら、膝と臀部を切りつけたという。

午後11時19分ごろ、40歳の男性がクイーンズにあるモットアベニュー/ファーロッカウェイ駅の車内で、血まみれで死亡しているのを発見された。男性は頸部と胸部を何度も刺され、血は座席だけでなく、床まで流れていたという。

その後13日未明には、44歳の女性がAトレインの北端にあるインウッド/207ストリート駅で、血まみれとなって、床に倒れているのが発見された。腹部や胸、腕、足など体全体を繰り返し刺されていたという。女性は近くの病院に搬送されたが、1時間後に死亡が確認された。

午前1時30分ごろ、ワシントンハイツの181ストリート/フォートワシントンアベニュー駅で、駅の階段で寝ていた43歳の男性がナイフで襲われ、背中を4回刺された。男性は近くの銀行に駆け込んだ後に倒れ、病院に搬送された。容態は安定しているという。

この事件とは別に、11日には、建設労働者の男性がウエストヴィレッジのクリストファー・ストリートで、腹部を刺される事件が起きている。

MTAのサラ・ファインバーグ(Sarah Feinberg)暫定プレジデントと労働組合Local 100のトニー・ウタノ(Tony Utano)委員長は声明で「最近地下鉄で発生した恐ろしい暴行は、言語道断であり許容できない」と非難。「全ての利用客とわれわれの勇敢な職員は、安全が保障された交通システムを利用する資格がある」と述べ、ただちに警察官を増員するよう求めた。

4人死傷事件を受けNYPDは、500人の警察官を追加で配置し、地下鉄内の警備体制を強化すると発表した。

ブルックリン区長で、ニューヨーク市長選に名乗りを上げているエリック・アダムス氏は、地下鉄での犯罪増加は、精神疾患を患っている人々に関連するものだと語っている。「地下鉄の安全性について、市のアプローチが失敗しているのは明白だ。最近起きた暴力事件が示すように、多くの人々が必要としているメンタルヘルスの治療を受けていない」と見解を述べた。

ホームレスの男を逮捕

NYPDは14日、ホームレスの男リゴベルト・ロペス(Rigoberto Lopez)容疑者を(21)を拘束したと発表。殺人や殺人未遂などの罪で逮捕・起訴した。

ロペス氏には、これまでに4回の逮捕歴がある。精神疾患で2度入院していたが、昨年春、自宅に戻った。新型コロナの影響でソーシャル・ワーカーの訪問サービスを受けることができなかったという。6月に自宅を出て、路上暮らしの後、シェルターに入居していた。

ホームレスを標的とした大事件は2019年10月以来。マンハッタンのチャイナタウンで起きたホームレス連続殺人事件では、夜間に路上で寝ていた4人の男性が金属棒で殴られ死亡した。

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