米ペプシ ケンダル・ジェナーを起用した新CMが大炎上

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4月4日(火)にリリースされたペプシコーラのキャンペーン広告が、多くの批判にさらされ、同社が謝罪と広告を取り下げる事態に発展した。

問題の広告は、ペプシの新たなキャンペーン「Live for Now」の一環として、同社のクリエイティブチームが制作したショートフィルム。人気絶頂のモデル、ケンダル・ジェナー(Kendall Jenner)を起用している。



前半シーンでは「Peace」、「Love」や「Join」と書かれたプラカードを掲げ、警官隊に向かって行進する若いデモの集団に、ケンダルが撮影の仕事を中断して参加するという内容。クライマックスでは、彼女がデモ隊の最前線に出て、警察官にペプシコーラを差し出す。警察官はそれを受け取り、群衆は拍手喝采するといった内容となっている。

クリエイティブチームは、この内容に関して「行動すると決めた瞬間、何物も自分を止められない。どんな場所であっても、自分たちが今を生きていると感じる瞬間があることを伝えたい」と説明している。

ショートフィルム「Pepsi “Live For Now Moments Anthem」が、4日(火)にYoutube上で公開されると、多くの批判が殺到。警察の黒人殺害に端を発した、全米規模の抗議活動「Black Lives Matter movement(ブラック・ライブズ・マター)」を想起させる内容であり、重大かつ深刻な社会問題が軽く扱われたことや、企業が商品を売るためのマーケティングに、そのシチュエーションを利用したことに非難が集中した。

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キング牧師の末娘、Berniceさんは、「あの時父が、ペプシの持つ力を知っていたなら。。」(実際はそんな簡単な問題じゃない)と皮肉を込めてツイート。

これが現実さ、という内容のツイート。

お巡りさん、ちょっと待って。私にはペプシがある!

広告に出演しているケンダル・ジェナーへも非難は飛び火。「ペプシは、マーチに参加したことがないような子を使って、時代をコマーシャル化してソーダを売るのが、かっこいいと思っているのよ!」

5日(水)午後1時(東海岸時間)過ぎ、多くの批判を受け、ペプシは広告を取り下げることをアナウンス。

“団結や平和、相互理解のグローバルメッセージを伝えたいと思っていましたが、明らかに的外れであり、お詫び申し上げます。シリアスな問題について、軽々しく扱う意図はありませんでした。
私たちは広告内容を取り下げ、これ以上の展開をしないこととします。また、ケンダル・ジェナーをこのような状況に置いてしまったことにもお詫びします。”