28日、カテゴリー4の強い勢力でフロリダ州に上陸したハリケーン「イアン」(Ian)は、南西部を中心に壊滅的な被害をもたらした。一刻も早い被災者の救済が求められているが、カマラ・ハリス副大統領が、連邦政府の支援を「平等」に基づき、有色人種のコミュニティを優先すると発言し、多くの批判が寄せられている。
ハリス氏は先月30日、民主党全国委員会のウーマンズ・リーダーシップ・フォーラムに出席し、女優のプリヤンカー・チョプラ・ジョナスと対談を行った。
ハリス氏は「非常に厳しい状況下において、自分達が作り出したものではない問題に、最も影響を受けるのは、われわれ低所得で有色人種のコミュニティだ」と主張。隣にいたプリヤンカーが「女性たちだ」と発言すると、それに同意を示しつつ、「平等に基づき、リソースを提供する。平等のために戦うことを理解するだけでなく、皆が同じ場所からスタートするのではないということを把握し、そのために戦う必要がある」と語った。続けて「人々が平等な位置にいることを望むのなら、格差を考慮し、それを機能させる必要がある」と訴えると、聴衆からは拍手が起こった。
フロリダ州のデサンティス知事の広報担当者は、ハリス氏の発言は「過ち」と反論。「副大統領のレトリックは、不必要なパニックを生じさせた」と非難し、連邦緊急事態管理局(FEMA)の個人支援は「人種や生い立ちに関係なく、イアンのインパクトを受けた全フロリダ州民が利用できる」と、支援に関する連絡先をツイートした。
This is false. @VP‘s rhetoric is causing undue panic and must be clarified. FEMA Individual Assistance is already available to all Floridians impacted by Hurricane Ian, regardless of race or background. If you need assistance visit https://t.co/x9X8AstnzL or call 1-800-621-3362. https://t.co/idsw1PX86x
— Christina Pushaw 🐊 🇺🇸 (@ChristinaPushaw) September 30, 2022
またテスラCEOのイーロン・マスク氏もツイッターを更新し、「人種などではなく、最も必要とする人々」に支援を割り当てるべきと主張した。
Foxニュースによると、保守派からは「ハリケーンを人種問題にする方法を見出すことができるのは、リベラルだけ」(作家ジョン・ホーキンス)「彼女がもし大統領になったら、バイデンよりも悪くなるだろう」(ユーチューバーHodgetwins)などの皮肉がネットに投稿されている。
ニューヨークタイムズによると、ハリケーンの直撃を受けたリー郡の死者は1日、35人に達した。フロリダ州では現在、110万世帯が停電しているという。
バイデン大統領は30日の会見で、被害は「史上最大規模になる恐れ」があるとし、災害支援に尽力するよう関係部門に指示を出した。