セントラルパーク上演中のシェイクスピア劇「ジュリアス・シーザー」から大手スポンサーが降板

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無料でトップアクターたちによる演劇を楽しめるニューヨークの夏の人気イベント「シェイクスピア・イン・ザ・パーク」。今年は5月23日から政治劇「ジュリアス・シーザー」を上演しているが、劇中で暗殺されるシーザー役が大統領に似ていることから、非難の声が上がり、スポンサーが降板する事態に発展した。

シーザー役の男性は金髪にスーツ姿。赤い(かつやや長め)のネクタイを着用した姿は、どことなく大統領に似ている。また、シーザーの夫人役は東欧訛りの英語を喋り、これがメラニア夫人を連想させると非難されている。

FOXニュースなどのメディアがこの件について報道をすると、デルタ航空がスポンサーの降板を決定。スポークスマンが声明を発表した。
“No matter what your political stance may be, the graphic staging of Julius Caesar at this summer’s Free Shakespeare in the Park does not reflect Delta Air Lines’ values”

“Their artistic and creative direction crossed the line on the standards of good taste,”

政治的なスタンスがどうであれ、 この夏のシェイクスピア・イン・ザ・パークで上演されているジュリアス・シーザーのステージは、デルタ社のヴァリューを反映していない。舞台の芸術性、創造性が向かった先は、良識の範囲を超えている。

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続いて、バンク・オブ・アメリカもスポンサーを降りることを発表。

バンク・オブ・アメリカは、11年にわたるパブリックシアターとシェイクスピア・イン・ザ・パークとのパートナーシップをはじめ、世界中の芸術活動をサポートしています。パブリックシアターは、扇動的で、攻撃的な意図を含んだ方法でジュリアスシーザーを上演することを選択しました。この意図を事前に我々が知っていたならば、スポンサーを降りる決断をしていたことでしょう。我々は、この舞台制作に関わる資金を引き上げます。

報道を受けて、トランプ大統領の息子、ドナルド・トランプJr.氏もツイッターで疑問を投げかけた。

このいわゆる「芸術」にいったいどれだけの税金が注ぎ込まれているのだろうか?真面目に言って、いつから芸術は政治のスピーチ道具なったんだ?こんなことをして何か変わるのか?

これら非難に対し、主催団体のパブリック・シアターが声明を発表。方針を変えない姿勢を示した。

ジュリアス・シーザーの舞台制作に対する、皆様の惜しみないサポートに深く感謝申し上げます。まさにこの劇やデモクラシーがそうであるように、私たちは反対する意見とぶつかり合うことによって真実へと到達できるという確信を持っています。私たちは、この確信や開放性、抱合性と行った私たちの大切な価値に従ってまいります。パブリックシアターはこれまでも、これからも、人民の人民による人民のためのものであり続けます。

先日は、コメディアンのキャシー・グリフィン(Kathy Griffin)が、大統領へのプロテストを目的に、過激な写真と動画を投稿し、大炎上。大統領本人や家族からもツイッターで非難を浴びた。CNNの年末カウントダウンの特番を含む、ほとんどの仕事を降板させられる事態となっている。

ジュリアス・シーザーは、6月18日まで上演予定。

Shakespeare in the Park シェイクスピア・イン・ザ・パーク

【7/11更新】
その後、映画監督のマイケル・ムーアや、シェイクシャックが同シアターに寄付を申し出ている。

シェイクシャック 限定シェイクを発表。収益は全額パブリックシアターへ寄付