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プラダのボードはNG?米スノボ代表が棄権したワケ【北京冬季五輪】

北京冬季五輪の米代表スノーボーダー、ジュリア・マリノ選手(24)は15日、インスタグラムのストーリーで、前日のビッグエア予選を棄権した背景に言及。国際オリンピック委員会(IOC)の命令に応じて、ボードの裏にある「PRADA」のロゴを塗りつぶしたことを明かすとともに、試合前の練習で負った怪我とボードに加えた変更によって不調をきたしたと説明した。

マリノ選手は6日に行われたスロープスタイル決勝で2位を獲得。今大会で米国に初のメダルをもたらした。試合後、マリノ選手が使用したプラダのロゴ入りボードに話題が集中。3,600ドルのボードが飛ぶように売れ、数時間で売り切れたと報じられた。なお、マリノ選手はヘルメットにもプラダロゴが入っていたが、試合前にIOCからテープで覆うよう注意を受け、これに従っていた。

マリノの選手は先述の投稿で、「ビッグエア競技の前夜、IOCから私のボードを認可しないと伝えられた。スロープでは認められていたのに。ロゴを隠さければ失格にすると告げられ、ボードの裏面にペンで塗りつぶすよう指示された」と説明。続けて「この前の練習で打った尾骨と、ボードの裏の変更の影響を確かめるためにジャンプ台を滑ってみたが、十分なスピードが出せず、何回も成功できなかった」と明かし、「今回の余計なことと、衝突が身体的にも精神的に影響したと思う」「これ以上の怪我の危険を犯さない判断を下した」と、棄権の理由を述べた。

PRADAがNGのワケ

IOCは15日に声明を発表。「選手が金曜日の練習中に転倒し、月曜日の試合に出場できなかったと認識している。金曜日の練習で転倒した際、用具やブランド表示の変更はされていなかった」と、怪我とボード変更の関係を否定した上で、スポーツブランドではない企業のブランディングのスノーボードで競技に参加することは、「オリンピックムーブメントの資金調達を保護するオリンピック広告規則に反する」と説明。機材使用の可否に関する一次的な判断は、各国のオリンピック委員会にあるとした上で、IOC側が問題を認識したのは、ビッグエアの後だったと加えた。

Front Office Sportsによると、米国オリンピック委員会は問題発覚後、IOCに書簡で、他の選手がバートンやロキシーで競技に参加するのと同様、マリノ選手はプラダのボードで競う権利があると抗議。さらに「ロゴはボードに彫られており、改造することは、滑走を考慮した表面に摩擦や障害を起こす」として、再考を求めたが、決定は覆らなかった。

今大会では、スキージャンプ選手らに対する失格処分や、出場が許可された女子フィギュアスケーター、カミラ・ワリエワ選手(ROC)のドーピング問題をめぐって、検査手順やルール適用の公平性を疑問視する声が上がっている。作家のデイビッド・エプステイン氏はツイッターで、マリノ選手のインスタグラムの画像をシェアしつつ、「オリンピックモットー:場当たりなルール作り」と批判した。

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