トランプ大統領と最高裁首席判事が非難の応酬 – 司法の独立性巡り

832

トランプ大統領は21日午後、合衆国最高裁判所のジョン・ロバーツ首席判事に宛てたツイートで、不法入国者による難民申請に関する大統領令の一時的差し止めを命じたサンフランシスコ連邦地裁の決定に不平を述べるとともに、同裁判所判事を「オバマ判事」と呼ぶなどし、司法の独立性に疑問を呈した。

「ジョン・ロバーツ首席判事、残念ながら”オバマ判事”がいるのは本当で、彼らは国家の安全を担う人々と全く違う考え方をしている。第9巡回裁判所が独立性のある司法機関だといいのだが、なぜ、国境の安全に反対的な訴状の多くがそこに提出されるのか、なぜ、これら多くの事案が判決によって覆るのか。実際の数字を見て欲しい。驚きべき数だ。我々は防衛と安全を必要としており、これらの裁定は我が国を危険に陥れる!とても危険でばかげている!」

トランプ大統領は前日、サンフランシスコ連邦地裁のジョン・タイガー判事の決定について聞かれ、「第9巡回裁判所に起こされたすべての訴訟で我々は負けてしまい、最高裁にもちこまなければならない」と述べ、「これはオバマ判事だ」と発言。裁判所を「恥」や「不公平」などと非難した。

Advertisement

前日の大統領の発言を受け、ジョン・ロバーツ首席判事は21日、AP通信に対し「我々にはオバマ判事もブッシュ判事もクリントン判事もいない。」と述べ、「我々は、出廷する人々に平等の権利を保障するためにそれぞれが最善を尽くす、献身的な判事達で構成されたすばらしい集団である。この司法の独立性こそ、我々すべてがおろそかにしてはならないものだ」と異例の非難声明を発表した。トランプ大統領の一連のツイートはこの後に配信された。