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日本人大学教授 同僚を殺害しようと暴行。禁錮10〜12年の刑に

マサチューセッツ州の上位裁判所は20日、同僚を殺害しようとして暴行した日本人の大学教授に、禁錮10年から12年の刑を言い渡した。

マサチューセッツ州サウス・ハドリーにあるマウント・ホリヨーク大学で芸術を教えていたリエ・ハチヤナギ被告(50)は2019年12月、地学・環境学の教授、ローレット・サボイさんの自宅を訪れ、4時間にわたって暴行を加え、殺害しようとした。60歳以上の人物に殺意を持って凶器により暴行した罪や脅迫暴行罪など9件の罪で起訴された。

ハチヤナギ被告は先週金曜日に開かれた審問で、すべてについて有罪を認めた。

デイリーメールによると、20日の審問の間、フランシス・フラネリー判事は、ハチヤナギ被告が「周囲からも尊敬されており、優れた才能をもったアーティスト、よき友人、優しい人間でもあり、そして前科もない」人でありながら、一方で「自分の友人を、4時間にも渡って瀕死の状態になるまで暴行を加える」ことは理解に苦しむと指摘。

「何が事件現場で起こったのか、真っ当な理由が見つからない。上位裁判所判事として、今までこんな恐ろしい事件を聞いたことがない」と話した。

検察によると、被告は「4時間の拷問」を行う最中、被害者が大量に出血する様子を見ながら、命は長くないなどと話したという。石や火かき棒、園芸用ハサミなどの凶器も使用した。サボイさんは、顔面を複数カ所骨折したほか、刺し傷や切り傷を負った。顔の神経を損傷した上に、指を満足に動かせないなどの後遺症があり、現在も精神的苦痛や経済的損失に悩まされている。

弁護側は、暴力行為は言い訳できないとしつつ、「美しく、愛に満ち、品のある人物」だと主張。犯罪歴はなく、犯行は仕事のストレスと失恋がきっかけになったのだろうと説明し、拘置所での被告の素行は周囲のリーダー的な役割を果たすほど模範的だとアピールした。

フラネリー判事はまた、サボイさんを「恐ろしい事件に巻き込まれた被害者」ではあるが、「平常心を保ち、犯人に自分を殺さないように説得した勇気ある人間」と称賛。「体が使えない中、精神力で自らを救った」ことは「注目に値する」と述べた。

検察によると、ハチヤナギ被告は2019年12月23日の夜、同僚の地学・環境学の教授、ローレット・サボイさんの自宅を、事前に知らせることなく訪問。サボイさんに気づかれるまで、物陰に隠れていた。サボイさんが誰かいるのかと尋ねると、姿を現し、自分の気持ちを告げたいと話した。

しかし、サボイさんが家の中に招き入れようと背を向けた瞬間、背後から襲撃。ずっと愛していたのを分かっていたはずだなどと責め立て、馬乗りになり、何度も暴行を加えた。

暴行の最中、盲目にしてやる、死ぬ前に醜くしてやるなどと繰り返し罵ったという。4時間の暴行の末、サボイさんは暴行をやめさせることに成功。愛しているふりをして、警察に通報するよう諭した。

ハチヤナギ被告は、駆けつけた州警察官に、事件の第一発見者のふりをしたという。サボイさんの家を訪れると、何者かが彼女に危害を加え、「息絶え絶え」の彼女を見つけたと警察に説明したが、嘘がバレて逮捕された。

ニューヨークポスト紙は、ハチヤナギ被告は逮捕後、休職させられていたが、いつ解雇されたか定かではないとしている。先週金曜日の午前中の時点では、ホリヨーク大学のホームページに紹介欄が設けられていたが、現在は削除されている。

ホームページには、ハチヤナギ被告は最初、札幌から高校の交換留学生として渡米したとあり、最近の活動として、日本の伝統的な製紙職人の話を収集、記録するプロジェクトに従事していると記されていた。

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