DC司法長官 イバンカ氏にぴしゃり、大統領就任式実行委のトランプホテル過払い疑惑巡り

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トランプ大統領の娘のイバンカ・トランプ氏は3日、大統領就任式実行委員会に対する訴訟に関連し、首都ワシントンの検察から聴取を受けたとツイート。聴取について「政治的動機に基づいた報復で、税金の無駄遣いだ」と批判した。

ワシントン司法長官のカール・ラシーン氏は今年1月、2017年のトランプ大統領就任に関連するイベントで、支持者からの寄付を募った就任式実行委員会が、トランプ氏の首都ワシントンにあるホテルに100万ドルを超える金額を不当に支払ったとして、委員会とトランプオーガニゼーションを訴えた

訴えによると、就任式実行委員会は1月17日から20日の4日間、ホテルに対して、市場価格の2倍近い1日17万5,000ドルを支払った。食費などを含む総額は103万ドルで、価格は「不合理で、トランプ氏の企業とオーナーたちを富ませるために不適切に提供された」と主張。非営利法人の目的を逸脱して、100万ドルの寄付金を浪費して首都ワシントンの法を破ったとしている。就任式の週に、同じスペースを利用した他の非営利法人が支払った金額は、トランプホテルの価格ガイドラインに収まる5,000ドルだったという。

なおイバンカ氏がツイートする前、司法当局が1日に裁判所に提出した資料から、聴取の事実は明るみに出ていた。

資料は、元ホワイトハウス上級顧問で、就任式でチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めたステファニー・ウィンストン・ウォルコフ氏の聴取を求めるもので、この中には、イバンカ氏に加えて、ホテル取締役のMickael Damelincourt氏などが聴取を受けていたことがわかった。またメラニア夫人も文書の提出を求められていた。

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イバンカ氏は先のツイートの中で、2016年12月14日にホテルの社長に送ったメールを公開。ホテルの価格は「公正な市場価格であるべき」と助言し、交渉するよう要求したとして、自身を擁護した。

これに対してラシーン長官は、ウォルコフ氏が2016年12月17日に就任式実行委員会のリック・ゲイツ委員長代理とイバンカ氏に送ったメールを公開。ウォルコフ氏は、問題を警告し、適正価格は85,000ドルだと助言しており、ラシーン氏は「われわれは、大統領就任式実行委員会がトランプホテルと法外な契約を故意に結んだ証拠を集めた上で、訴訟を提起している」と、イバンカ氏をけん制した。

さらにラシーン氏は同日夜、MSNBCの番組に出演。イバンカ氏のツイートは「非常にミスリーディングだ」と指摘。メールは「せいぜい話のほんの一部にすぎない」と述べ、「あのメールは12月14日だが、数日後のメールでは、市場価格を大きく超える費用を支払おうとする試みがあった」と語った。またウォルコフ氏が「トランプホテルが就任式実行委員会に求めた価格に警告していた」と述べ、「興味深いことに、イバンカ氏はウォルコフ氏の警告の後のいかなるメールにも言及していない」と皮肉を述べた。