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米で拡散の「ワクチン・ゾンビ」説、映画脚本家が反論したワケ

『ビューティフル・マインド』や『ダ・ヴィンチ・コード』など、ヒット作品の脚本を手がけたアキヴァ・ゴールズマンは9日、ツイッターで「なんてこった。映画だよ。私が創作したんだ。リアルじゃない」と投稿した。

きっかけは、この数日前にニューヨークタイムズに掲載された新型コロナウイルスのワクチンに関する記事。記者はこの中で、ブロンクスの眼鏡店の店主が、スタッフにワクチンを接種させる苦労を紹介している。

店主が、スタッフの一部に接種を躊躇している理由を尋ねたところ、マイクロチップ説などの陰謀論を指して、政府が信頼できないという意見や、食品医薬品局によって正式に承認されていないといった主張、妊娠に影響するからなど、様々な声が挙がった。この中でたった1人、ワクチンが、映画『アイ・アム・レジェンド』の中の登場人物をゾンビに変えたからだと答えた従業員がいたという。

同作は2007年に公開されたSci-Fiアクション映画。1954年の同名小説を元に制作された。フランシス・ローレンスが監督を、アキヴァ・ゴールズマンはマーク・プロトセヴィッチとともに脚本家に名を連ねている。

映画は、癌の治療を目的に遺伝子操作された麻疹ウイルスによって、人類がゾンビへと変えられてしまった世界が舞台。ニューヨークでただ一人生き残ったウィル・スミス演じる主人公の科学者が、ゾンビから身を守りながら、治療法を追求していく。

そもそも作品の中で人々をゾンビに変えたのはワクチンではないが、以前から反ワクチンのプロパガンダに利用されているようだ。

ロイターは昨年12月、ファイザー製のワクチンの使用が許可された後、『アイ・アム・レジェンド』のキャラクターがワクチンでゾンビに変わったと主張する投稿が、SNSで拡散されていると報じていた。

ゴールズマンのツイートには現在、他のユーザーから「コロナワクチンが人類を救うといった内容の第2弾を書くときですね」といったコメントや、「パンデミックを終わらせる唯一の方法は、アイ・アム・レジェンドの脚本家が一軒一軒回って、映画はドキュメンタリーじゃないと説明すること」など、様々なジョークが寄せられている。

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