NY市 コロナ犠牲者の遺体数百体 いまだ冷凍トレーラーに保管

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ニューヨーク市では、新型コロナウイルスに感染して亡くなった数百人の遺体が、現在も冷凍トレーラーに安置されていることがわかった。ニューヨークポスト紙が伝えた。

市検視局のDina Maniotis副長官によると、冷凍トレーラーを使用した緊急の安置施設は昨年4月にブルックリンのサンセットパーク周辺にある埠頭に設置された。一時的な処置で、遺族に必要な時間を与えるために設けられたものだが、パンデミックのピーク時に亡くなった750体が現在も保管されているという。

遺族の多くは、ハートアイランドに埋葬することを望んでいるが、市と連絡が途絶えているケースもあるという。

パンデミックの初期、ニューヨーク市では一部の病院と葬儀場が死者の急増に対応できず、冷凍トレーラーを一時的な安置場所に使用した。当時、病院に横付けされたトレーラーの様子が度々報じられた。

©mashupNY

昨年7月、同紙は、サンセットパークに並ぶトレーラーには、1,344体が保管されていると報じていた。

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ハートアイランドはブロンクスの北東岸にある島で、19世紀から、身寄りがなかったり、家族が葬儀を手配できなかった遺体を埋める場所として使用されている。通常は、1週間あたりの埋葬数は25体程度で、刑務所の受刑者が低賃金で作業を行なっている。

感染が急拡大した4月には、1日あたりの埋葬数が24体に急増した。当時、棺を並べて埋めるための溝が、新たに2箇所掘られる様子が報じられた。市は、パンデミックの間、安全上の理由から、囚人に代わり、契約労働者を雇用している。

ハートアイランドには現在、100万人以上の遺体が埋葬されているという。例年の埋葬数は1,200体程度だが、昨年は2,666体だった。今年はこれまでに504体が埋葬されたという。